「部長、A案とB案、どちらにしますか?」 「うーん、もう少しデータを集めてから検討しよう」
この会話が、御社の会議室で繰り返されていないでしょうか? ビジネスのスピードが加速する今、「検討します」という言葉は、「何もしません」と同義です。 決断の遅れは、機会損失(オポチュニティ・ロス)を生み、組織の士気を下げ、最終的には企業の死を招きます。
なぜ、優秀なはずのリーダーたちが「決められない」のでしょうか? それは、彼らが無能だからではありません。 「正解を選ぼうとしすぎている」からです。
VUCA(不確実)な時代において、100%正しい選択肢など存在しません。 6割の情報でGoサインを出し、走りながら修正する。 この「OODAループ(ウーダループ)」を回せるリーダーだけが、生き残ることができます。
しかし、失敗すれば責任を問われる減点主義の組織では、脳が「恐怖」に支配され、リスクのない選択肢(=何もしない)を選んでしまいます。 この脳のブレーキを外すには、強制的に「即断即決」を迫られる環境に身を置くしかありません。
マグマリゾートは、あなたの決断力を試すための巨大な実験場です。 刻々と変わる天候、道なき道、限られたリソース。 ここには、持ち帰って検討する時間などありません。 「今、右か左か」を決めなければ、前に進めないのです。
本記事では、石橋を叩いて壊してしまう慎重なリーダーたちに、「直感」と「胆力」を取り戻させ、決断できるリーダーへと進化させるための、マグマリゾート流「意思決定キャンプ」の全貌を解説します。

第1章:分析麻痺(Analysis Paralysis)からの脱却。思考を止めて「直感」に従う
データは過去、直感は未来
「データドリブン経営」は重要ですが、データはあくまで「過去の足跡」です。 まだ見ぬ未来を切り拓く新規事業や、未曾有の危機対応において、過去のデータは役に立ちません。 そこで頼りになるのは、リーダー自身の経験と感性から導き出される「直感(インテュイション)」です。 しかし、現代人は論理的思考(ロジカルシンキング)に偏りすぎ、この「野生の勘」が退化しています。
マグマ・タイムアタック・ミッション
合宿の初日、参加者には「思考する時間を与えない」ミッションが課されます。
例えば、「スピード・オリエンテーリング」。 広大な森の中に設置されたチェックポイントを回るのですが、制限時間はギリギリです。 地図を見てじっくりルートを検討している暇はありません。
「この崖を登るか、迂回するか。3秒で決めろ!」 「登る!」
根拠なんてなくていい。 「なんとなく行けそうだ」「こっちの匂いがする」。 論理を超えた直感に従って決断し、行動し、結果を受け入れる。 もし失敗したら、即座に修正(ピボット)して次へ進む。
「考えすぎても結果は変わらない」「動いたほうが早い」。 息を切らしてゴールした時、彼らは「分析麻痺」から解放され、直感で動くことの爽快感とスピード感を身体で思い出します。

第2章:決断の孤独を知る。誰のせいにもできない「ソロ・ビバーク」
「みんなで決めた」という逃げ
日本の組織でよくあるのが、「合議制」という名の責任逃れです。 「みんなで話し合って決めた」ことにすれば、失敗した時に自分一人が責められることはありません。 しかし、それはリーダーシップの放棄です。 真のリーダーは、衆知を集めつつも、最後の「GO」はたった一人で出し、全責任を負う覚悟を持たなければなりません。
究極のソロ・ディシジョン
合宿の中日、参加者は一人ずつバラバラの場所に配置されます。 「ソロ・ビバーク(野営)」体験です。
渡されるのは、タープ(布)一枚と、わずかな水と食料のみ。 テントはありません。 「どこに寝床を作るか」「火をどう確保するか」「少ない水をいつ飲むか」。 全ての判断を、たった一人で行わなければなりません。
部下もいません。上司もいません。相談する相手はいません。 夜になり、森が漆黒の闇に包まれると、強烈な孤独と不安が襲ってきます。 「この場所で本当に良かったのか?」「朝まで耐えられるか?」
自分の決断の結果(寒さ、空腹、恐怖)が、ダイレクトに自分に返ってくる体験。 「誰も助けてくれない。俺が決めるしかないんだ」。 この極限の孤独を味わった者だけが、腹の底から「責任を取る覚悟(オーナーシップ)」を持つことができます。

第3章:トレードオフ(二律背反)を断つ。何かを捨てて、何かを取る痛み
「あれもこれも」は何も選んでいない
「品質も上げろ、コストも下げろ、納期も守れ」。 総花的な目標を掲げるリーダーは、現場を疲弊させるだけです。 戦略とは、トレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)の中で、「何を捨てるか」を決めることです。 何かを選ぶことは、他の可能性を殺すこと。そこには痛みが伴います。
サバイバル・リソース・マネジメント
チーム対抗で、リゾート内の無人島(または隔離エリア)からの脱出ゲームを行います。 しかし、持ち込めるアイテムには重量制限があります。
「食料を持つか、防寒具を持つか」 「怪我をしたメンバーを背負って進むか、足の速いメンバーだけで救援を呼びに行くか」
正解のない、究極の選択を迫られます。 「食料を捨てて、スピードを取ろう」 「全員で助かるために、リスクを取ろう」
何かを捨てた時の「痛み」と、選んだものへの「集中」。 このヒリヒリするような意思決定の連続が、リーダーの優先順位付けの感覚を研ぎ澄ませます。 「全部大事」ではなく「これが一番大事」。 そう言い切れる強さを、現場での痛みを伴う体験を通じて獲得します。

第4章:決めたことを正解にする。「コミットメント」の火を灯す
決断はスタートに過ぎない
どんなに優れた決断も、実行されなければ意味がありません。 そして、どんなに拙速な決断でも、チーム全員が信じて全力で実行すれば、正解になることがあります。 重要なのは、決めた後の「やり抜く力(グリット)」と、周囲を巻き込む「熱量」です。
ボンファイア・デクラレーション(宣言)
合宿の最終夜、巨大な焚き火の前で、一人ひとりが「決意表明」を行います。 テーマは**「帰社後、最初に断行する決断」**。
「不採算のあのプロジェクトを、来月中に撤退させます」 「反対されても、この新規事業に予算をつけます」 「部下の〇〇君に、リーダーを任せます」
炎の前で、仲間の前で、声に出して宣言する。 言葉にすることで、迷いは「誓い」へと変わります。
「間違っていたらどうしよう」という不安は消えません。 しかし、「間違っていたら、俺が責任を取って修正する」という覚悟が決まれば、足は震えなくなります。 その覚悟の炎は、必ず周囲に伝播し、組織を動かす原動力となります。

第5章:【実録ケーススタディ】迷えるリーダーが「将」になった日
Case 1:大手メーカー(事業部長 10名)「撤退戦・シミュレーション」
- 課題: 赤字事業の撤退基準が曖昧で、ズルズルと投資を続けていた。「誰が引導を渡すか」のババ抜き状態。
- 実施内容:
- Day1: 「リソース枯渇ゲーム」。水と食料が尽きていく設定で、ゴールまで辿り着くために「荷物を捨てる」決断を繰り返す。
- Day2: 「サンクコスト(埋没費用)の墓場」。過去の失敗を紙に書き、焚き火にくべて供養する。
- 成果: 「捨てることは、未来のリソースを生むことだ」とマインドチェンジ。帰社後、長年の懸案だった不採算事業の撤退を英断し、成長領域への投資シフトを実現した。
事例2:ITベンチャー(ボードメンバー 5名)「スピード経営・強化合宿」
- 課題: 合議制で会議が長く、意思決定が遅い。競合にシェアを奪われ始めていた。
- 実施内容:「即断即決・ラフティング」。
- 激流の中で、瞬時にルートを判断し、指示を出さないと転覆する。
- 「議論している暇はない」状況を強制的に作る。
- 成果: 「走りながら考える(アジャイル)」感覚を身体で共有。会議の時間が半分以下になり、リリースサイクルが倍速化した。
事例3:地域医療法人(理事長・院長 15名)「有事対応・覚悟の合宿」
- 課題: 災害やパンデミック時の指揮系統が不明確。トップが現場に遠慮して指示を出せない。
- 実施内容:「真っ暗闇の洞窟探検」。
- 一寸先も見えない洞窟で、リーダーが先頭に立ち、決断して進む。
- 成果: 「リーダーが迷えば、全員が危険に晒される」と痛感。「私が決める」という当事者意識が芽生え、有事の際のBCP(事業継続計画)が実効性のあるものに見直された。

まとめ:正解を選ぶのではない。選んだ道を正解にするのだ
「あの時の決断は正しかったのか?」 その答え合わせは、数年後、あるいは数十年後にしかできません。 今のあなたにできることは、自分の直感を信じ、リスクを引き受け、一歩を踏み出すことだけです。
マグマリゾートは、迷いを断ち切り、自分の中の「野性のコンパス」を取り戻す場所です。
「よし、こっちだ」 「行こう」
あなたが力強く指差したその先に、組織の未来があります。 迷えるリーダーから、導くリーダーへ。 その変貌の瞬間を、マグマリゾートでお迎えください。