「取締役会では全員が頷いているのに、実行段階になると足並みが揃わない」 「CEOの孤独を、他の役員が理解していない(しようとしない)」 「役員同士が互いの領空侵犯を恐れ、表面的な議論に終始している」
企業のトップ層である経営チーム(C-Suite)。 彼らは皆、百戦錬磨のプロフェッショナルであり、それぞれの分野で卓越した成果を上げてきた強者たちです。 しかし、個々の能力が高いことが、必ずしも「強いチーム」を意味するわけではありません。
むしろ、プライドが高いがゆえに素直になれず、専門性が高いがゆえに視野が狭くなり、組織の頂点で「サイロ化(タコツボ化)」が起きているケースが散見されます。 経営陣が腹を割って話せていない組織は、危機に弱く、変革のスピードが出ません。
この膠着状態を打破するために必要なのは、高級ホテルでの会食でも、ゴルフ接待でもありません。 物理的に日常業務から隔離された場所で、膝を突き合わせ、魂をぶつけ合う「合宿(リトリート)」です。
マグマリゾートは、エグゼクティブたちが社会的地位という「重いコート」を脱ぎ、裸の心で向き合うためのサンクチュアリ(聖域)です。 ここには、忖度も、根回しも、議事録も必要ありません。 あるのは、雄大な自然と、未来への意志だけ。
本記事では、バラバラだった経営陣を、背中を預け合える「真の経営チーム」へと再生させるための、マグマリゾート流「エグゼクティブ・リトリート」の全貌を解説します。

第1章:役員室は「劇場」である。演技をやめるための舞台転換
演じ続ける疲労
本社ビルの最上階、重厚な扉の奥にある役員会議室。 そこは、経営者たちが「威厳ある役員」を演じるための劇場です。 隙を見せてはいけない、弱音を吐いてはいけない。 その緊張感が、自由な発想や本音の対話を阻害しています。 「ここでは本音が出ない」と分かっていながら、毎週同じ席に座り続ける。これでは何も変わりません。
マグマ・エグゼクティブ・ヴィラ
マグマリゾートが用意するのは、森の奥深くに佇む、完全プライベートな「一棟貸しヴィラ」です。 チェックインからチェックアウトまで、他の宿泊客や従業員(専属コンシェルジュ以外)と顔を合わせることはありません。
到着したら、まずネクタイを外し、リゾートウェアに着替えます。 窓を開ければ、鳥のさえずりと風の音。 会議テーブルではなく、リビングのソファやテラスの椅子に、思い思いの姿勢で座る。
「さて、始めましょうか」 その第一声のトーンが、役員室とは明らかに異なります。 物理的な環境(舞台装置)を変えることで、脳は「ここは戦場ではない、対話の場だ」と認識し、防御壁を下ろします。 このリラックスした状態こそが、クリエイティブで建設的な議論(ダイアログ)の必須条件なのです。

第2章:過去(ヒストリー)の共有。なぜ、私たちはここにいるのか
「機能」としての繋がり
多くの役員は、互いのことを「CFOとしての〇〇さん」「営業本部長としての△△さん」という「機能」でしか認識していません。 その人の生い立ち、価値観、人生で大切にしているもの(パーソナリティ)を知らないまま、機能的なやり取りだけをしている。 これでは、意見が対立した時に「あいつは分かっていない」と感情的な断絶が生まれやすくなります。
ライフライン・チャートの共有
合宿の前半は、ビジネスの話を一切しません。 行うのは、互いの「人生グラフ(ライフライン)」の共有です。
「私は貧しい家庭で育ったので、ハングリー精神だけは誰にも負けないんです」 「若い頃に大病をして、それから『社会貢献』が私の軸になりました」
一人の人間としての歴史、痛み、そして光。 それを聞いた時、相手への見方が劇的に変わります。 「彼がコストカットに厳しいのは、冷酷だからじゃなくて、会社を潰したくないという強い責任感からだったんだ」 「彼女がリスクを取って挑戦するのは、過去のあの体験があったからなんだ」
背景(コンテキスト)を知れば、対立は「違い」ではなく「多様性」として受容されます。 「こいつとなら、背中を預けられる」。 その人間的な信頼関係が構築されて初めて、厳しい経営課題についての本音の議論が可能になります。

第3章:未来(ビジョン)の激突。忖度なしの「ガチンコ議論」
予定調和を破壊せよ
役員会の議案は、事前に事務局によって調整され、シャンシャンで終わるように設計されていることがよくあります。 しかし、それは「管理」であって「経営」ではありません。 不確実な未来に対して、リスクを冒してでも決断を下すのが経営者の仕事です。
ノー・アジェンダ・セッション
合宿のメインイベントは、アジェンダ(議題)のない議論です。 テーマはただ一つ。「10年後、この会社をどうしたいか」。
「今の事業モデルは、あと5年で寿命が来る。全部壊すべきだ」 「いや、守るべき伝統がある。そこは譲れない」
普段は言えない過激な意見、突飛なアイデア、そして不安。 全てをテーブルの上にさらけ出します。 声が荒らげられる場面もあるでしょう。しかし、ベースに「人間としての信頼」があれば、関係は壊れません。
「本気で会社のことを考えているからこその衝突だ」 そう理解し合えているチームの議論は、熱を帯び、深まっていきます。 妥協点を探るのではなく、全員が腹落ちする「第3の案」が見つかるまで、徹底的に話し合う。 このプロセスを経た決定事項は、岩盤のように強固な意志となります。

第4章:CEOの孤独を溶かす。チームとしての「覚悟」の共有
トップの孤独
「最終責任は社長にある」。 それは事実ですが、その重圧を社長一人に背負わせすぎていないでしょうか? CEOが孤独になり、疑心暗鬼になれば、組織は健全性を失います。 経営チームとは、CEOの孤独を分かち合い、共に重荷を背負う存在であるべきです。
焚き火・コミットメント・ナイト
夜、満天の星空の下、焚き火を囲んでグラスを傾けます。 ここで、CEOは弱さを見せます。
「正直、今回の決断が正しいのか、怖くて眠れない夜がある」 「みんなを路頭に迷わせないか、プレッシャーに押し潰されそうだ」
その言葉に対し、役員たちが応えます。 「社長、その荷物、半分持ちますよ」 「我々が現場を死守しますから、社長は前だけ見ていてください」
言葉だけの忠誠心ではなく、魂のレベルでの「共犯関係」の締結。 「俺たちは、一蓮托生だ」。 この覚悟が決まった経営チームは、どんな不況やトラブルが起きても、決して揺らぐことはありません。 焚き火の炎が、彼らの結束を鋼のように焼き固めます。

第5章:【実録ケーススタディ】経営チームが生まれ変わった日
Case 1:創業オーナー企業(社長・親族役員・プロパー役員 8名)
- 課題: 創業家とプロパー役員の間に深い溝があり、会議はいつも冷戦状態。社長の顔色ばかり伺う組織になっていた。
- 実施内容:「創業の地・巡礼&合宿」。
- 創業者が最初に工場を建てた場所などを巡り、創業の精神(DNA)を再確認。
- 合宿では「次の100年」をテーマに、創業家・プロパー関係なくアイデア出し。
- 成果: 「会社を愛する気持ちは同じだ」と気づき、対立構造が解消。プロパー役員からも積極的な提言が出るようになり、経営のスピードが加速した。
Case 2:メガベンチャー(CEO・CXO陣 5名)「上場直前・結束合宿」
- 課題: 急成長に伴い、CXO間の連携不足が露呈。それぞれの管掌範囲(テリトリー)を守ることに必死で、全社最適の視点が欠けていた。
- 実施内容:「登山&山頂会議」。
- 険しい山道を、互いに助け合いながら登る。体力差をカバーし合う。
- 山頂で「上場後の景色」を語り合う。
- 成果: 物理的な苦難を共有したことで、「チーム」としての意識が復活。「自分の部署だけでなく、隣の部署も助けよう」というマインドセットに変化し、上場審査をチームワークで乗り切った。
事例3:M&A統合企業(買収側・被買収側役員 12名)「PMI(統合)合宿」
- 課題: 文化の違う2社の役員が混在し、水と油の状態。相互不信が現場の混乱を招いていた。
- 実施内容:「共通の敵(課題)設定ワーク」。
- 互いの会社を批判するのではなく、「競合他社に勝つために、両社の強みをどう組み合わせるか」にフォーカス。
- 料理対決で「混ざり合うことの価値」を体感。
- 成果: 「敵は社内ではなく外にいる」という認識。互いのリソースを補完し合う関係性が構築され、統合作業が一気に進展した。

まとめ:経営チームの強さが、会社の限界を決める
「組織はリーダーの器以上にはならない」。 そして、「会社の成長は、経営チームの結束力の強さに比例する」。
どれだけ優れた戦略があっても、それを率いるトップ層がバラバラであれば、実行力はゼロです。 逆に、経営チームが固い信頼で結ばれていれば、どんな荒波も乗り越えていけます。
マグマリゾートは、日本の経営者たちが、孤独から解放され、真の仲間を手に入れるための場所です。
「今回の合宿で、やっと『チーム』になれた気がするよ」 「明日から、また一緒に戦おう」
そんな力強い握手が交わされる瞬間を、私たちは何度も目撃してきました。 次は、御社の番です。
日本の未来を背負うリーダーたちへ。 最高の舞台を用意して、お待ちしております。