「採用が追いつかないほど忙しい。合宿なんてしている暇はない」 「数字がすべてのフェーズだ。悠長なことは言っていられない」
急成長中の企業の経営者やマネージャーは、常にアクセルをベタ踏み状態で走っています。 しかし、ふとバックミラーを見た時、後ろに乗っているはずの社員たちが、疲れきった顔をしていたり、あるいは振り落とされていたりすることに気づいていませんか?
組織の拡大スピードに、人の心が追いつかない現象。これを「成長痛」と呼びます。 初期の熱狂が冷め、官僚的な空気が入り込み、セクショナリズム(縦割り)が生まれ、離職率が上がり始める。 この兆候を無視して走り続ければ、いつか組織は空中分解(クラッシュ)します。
今、必要なのは、更なるアクセルではありません。 勇気を持ってブレーキを踏み、全員で地図を広げ直す「戦略的休息(ストラテジック・リトリート)」です。
マグマリゾートは、日常の業務(Doing)を強制的に止め、組織のあり方(Being)を問い直すためのサンクチュアリです。 都会の喧騒から離れた大自然の中で、PCを閉じ、同僚の目を見て話す。 その静かな時間が、組織の歪みを矯正し、再び爆発的な成長を遂げるためのエネルギーを充填します。
本記事では、成長痛に苦しむ組織を救い、次のステージへと押し上げるための、マグマリゾート流「組織再生合宿」の全貌を解説します。

第1章:高速回転する脳を止める。「空白(Void)」がビジョンを鮮明にする
「緊急」に殺される「重要」
急成長企業の社員は、常にチャットツールの通知と、締め切りに追われています。 「緊急だが重要ではないこと」の処理に忙殺され、「緊急ではないが重要なこと(ビジョン、組織文化、人材育成)」について考える時間がゼロになっています。 これでは、目の前の壁を乗り越えることはできても、遠くの山(長期目標)にたどり着くことはできません。
強制デジタル・デトックス
マグマリゾートに到着したら、まずは「時間の流れ」を変えます。 スマホやPCを金庫に預け、デジタル情報から遮断された状態で、森の中に入ります。
聞こえるのは、風の音と鳥の声だけ。 最初の1時間は、禁断症状のようにソワソワする社員もいます。 しかし、次第に脳の回転数が落ちていき、深い呼吸ができるようになります。
「そういえば、創業の時はこんな夢を持っていたな」 「あいつ、最近元気がないけど、何か悩んでいるのかな」
情報のノイズが消えた時、初めて本当に大切なことが見えてきます。 社長が語るビジョンも、スライドに書かれた文字としてではなく、生身の言葉として心に響くようになります。 「空白」を作ることは、サボりではありません。ビジョンの解像度を高めるための、最も贅沢な投資なのです。

第2章:古参と新参の「断絶」を埋める。共通体験が作る新しいカルチャー
「昔はよかった」おじさんと「ドライな」若手
組織が拡大すると、必ず「創業メンバー(古参)」と「拡大期入社メンバー(新参)」の間に溝が生まれます。 「昔は徹夜してでもやったもんだ」という精神論を振りかざす古参。 「効率的に成果を出せばいいんでしょう?」と冷めた目の新参。 互いにリスペクトがない状態では、組織力は半減します。
ヒエラルキーを無効化する「泥んこミッション」
この溝を埋めるのは、飲み会ではありません。 「理屈抜きの共同作業」です。
マグマリゾートでは、社歴も役職も関係ない混合チームを作り、過酷なミッションに挑ませます。 例えば、「悪路走破・トレジャーハント」。 泥濘んだ道、急な崖、道なき道。 スーツを着た状態では絶対に行かないような場所を、全員お揃いのジャージで進みます。
「専務、足元危ないですよ! 手を貸します!」 「ありがとう! 君、意外と力があるんだな」
泥だらけになり、汗をかき、助け合う。 そこには「創業メンバー」も「中途社員」もありません。ただの「困難に立ち向かう仲間」です。 身体的な接触と、極限状態での協力。 この体験が、互いのレッテル(偏見)を剥がし、「同じ釜の飯を食った仲間」としての新しい絆を紡ぎ出します。

第3章:心理的安全性の再構築。「言えなかったこと」を吐き出す夜
「忖度」が組織を殺す
組織が大きくなると、どうしても「社内政治」や「忖度」が生まれます。 「社長の機嫌を損ねたくないから、悪い報告は後回しにしよう」 「会議で異論を唱えると面倒だ」 この心理的な壁(恐れ)が、重大なリスクの見落としや、イノベーションの阻害に繋がります。
焚き火・本音(Bukkake)トーク
夜のアクティビティは、マグマリゾート名物「焚き火トーク」です。 ただし、単なる懇親会ではありません。 「私たちが直面している『不都合な真実』」をテーマに語り合います。
「実は、今の評価制度に納得がいっていません」 「開発スピード優先で、品質がおろそかになっているのが怖いです」
炎の前では、人は嘘をつきません。 ネガティブな意見も、批判ではなく「会社を良くしたいという願い」として受け止められます。 経営陣は、反論せずにただ聴く(傾聴する)。
「みんな、そんな風に思っていたのか。気づかなくてすまなかった」 トップが弱さを見せ、社員の不安を受け止めた時、組織の空気が一変します。 「言っても大丈夫なんだ」「受け止めてもらえた」。 この安心感こそが、翌日からの自律的な行動を引き出すトリガーとなります。

第4章:未来への「再合意(リ・コミットメント)」。全員で描く航海図
自分事としてのビジョン
不満を吐き出し、関係性を修復した後は、未来を作る時間です。 トップダウンで降りてきた中期経営計画ではなく、社員全員で作り上げる「未来予想図」が必要です。
フューチャー・ビジョン・ワーク
翌朝、澄み渡る空気の中で、巨大なホワイトキャンバスに向かいます。 テーマは「3年後、私たちはどんな景色を見ているか」。
言葉ではなく、絵やコラージュで表現します。 「世界中の人が、僕たちのアプリを使っている絵」 「社員の家族みんなでパーティーをしている絵」
営業もエンジニアもバックオフィスも、それぞれの立場で未来を描き込みます。 「いいね! そのために、僕の部署はこれをやるよ」 「じゃあ、私たちはここをサポートするね」
バラバラだった個人のベクトルが、一つの大きな矢印に統合される瞬間。 「会社からやらされている仕事」が、「自分たちで決めた夢」に変わります。 この合意形成(コミットメント)があれば、どんなに高い目標でも、チームは折れずに走り続けることができます。

第5章:【実録ケーススタディ】崖っぷちからV字回復した組織たち
事例1:メガベンチャー(社員数300名)「創業10周年・全部署合同合宿」
- 課題: 急拡大により、部署間のセクショナリズムが深刻化。「隣の部署は敵」という殺伐とした空気が流れていた。
- 実施内容:
- Day1: 「部署対抗・イカダ作りレース」。あえて部署対抗にして競争心を煽りつつ、最後に全員でイカダを連結させるサプライズを実施。
- Day2: 「全社感謝祭」。普段言えない感謝をカードに書いて交換。
- 成果: 「我々は一つの大きな船に乗っている」という感覚を視覚的に体験。部署間のいがみ合いが消え、クロスファンクショナルなプロジェクトが自然発生的に立ち上がった。
事例2:IPO準備中スタートアップ(社員数50名)「ガバナンス&カルチャー合宿」
- 課題: 上場準備の忙しさで疲弊し、創業時の自由なカルチャーが失われつつあった。離職率が増加傾向。
- 実施内容:「ルーツ・トリップ」。
- 創業者が最初に作ったプロダクトのプロトタイプを囲み、創業秘話を語る。
- 「変わらなければいけないこと(ガバナンス)」と「変えてはいけないこと(カルチャー)」を全員で議論。
- 成果: 「上場はゴールではなく、ビジョン実現の手段だ」と再認識。管理体制の強化を「窮屈さ」ではなく「成長のための土台作り」と捉え直すことができ、離職がストップした。
事例3:老舗製造業の社内ベンチャー(メンバー15名)「背水の陣・開発合宿」
- 課題: 本業の業績悪化により、新規事業への風当たりが強い。「失敗したら解散」というプレッシャーで萎縮していた。
- 実施内容:「限界突破・サバイバル」。
- 食料調達から調理まで、全て自分たちで行うキャンプ。
- 困難な状況でも「なんとかなる」という自己効力感を養う。
- 成果: 極限状態を乗り越えたことで、チームの結束力が鋼のようになった。「会社のため」ではなく「俺たちの意地」で成功させると覚悟が決まり、画期的な新商品を開発。見事に黒字化を果たした。

まとめ:立ち止まることは、後退ではない。最大の「加速」である
F1レースにおいて、ピットインの時間はタイムロスに見えます。 しかし、タイヤを替え、燃料を補給し、ドライバーをケアしなければ、レースには勝てません。
ビジネスも同じです。 走り続けることだけが、成長ではありません。 時には勇気を持って立ち止まり、仲間と顔を見合わせ、地図を確認する。 その「余白」の時間こそが、組織を強く、速く、遠くまで連れて行ってくれるのです。
マグマリゾートは、戦い続けるビジネスアスリートたちのための、最高のピットです。
「よし、行こうか」 「やったりましょう!」
合宿を終え、バスに乗り込む社員たちの顔は、来る時とは別人のように晴れやかで、力強いものになっているはずです。
御社の「第2章」を始めるための場所として。 私たちは、最高の環境と熱量を用意して、皆様をお待ちしております。