「会議で発言するのは部長だけ。若手はただの書記係になっている」 「『心理的安全性』を導入しようとしたら、『甘え』と勘違いされて規律が緩んだ」 「社長の孤独と、現場の諦め。その間に横たわる深い溝が埋まらない」
伝統ある企業や、組織規模が大きくなった企業ほど、この「階層の病」に苦しんでいます。 組織図上のピラミッド構造は、指揮命令系統を明確にするためには必要ですが、イノベーションを生むための「知の結合」や、現場の異変を察知する「感度」を著しく低下させます。
「風通しの良い職場を作ろう」とスローガンを掲げても、オフィスのレイアウトを変えても、染み付いた「上司・部下」の意識は消えません。 必要なのは、小手先の改革ではなく、物理的かつ心理的な「リセットボタン」を押すことです。
マグマリゾートは、そのリセットボタンを押すための「聖域」です。 ここでは、社長も新入社員も、同じジャージを着て、同じ飯を食います。 大自然という圧倒的なパワーの前では、人間の作った「役職」など、何の意味も持たないからです。
泥にまみれ、火を囲み、星を見上げる。 その原始的な体験の中で、私たちは「評価する者・される者」という関係から、「同じ火を囲む仲間」へと還ります。
本記事では、硬直化した組織に熱い血を通わせ、全員が当事者として動き出すための、マグマリゾート流「ヒエラルキー破壊・合宿」の全貌を解説します。

第1章:ユニフォーム効果。ジャージ姿の社長が、組織の空気を変える
スーツという「鎧」の副作用
オフィスにおいて、スーツや作業着は「戦闘服」であると同時に、階級を示す「記号」でもあります。 高級なスーツを着た役員と、量販店のスーツを着た若手。 その視覚的な情報だけで、脳は無意識に「従うべき相手」と認識し、思考にブレーキをかけます(忖度)。 このブレーキを外すには、視覚情報をリセットする必要があります。
マグマ・ドレスコード・リセット
合宿の集合場所であるマグマリゾートのロビー。 ここで、参加者全員に同じデザインのオリジナルTシャツやジャージが配布されます。 社長も、役員も、新入社員も、全員が同じ服に着替えます。
「社長のジャージ姿、初めて見ました(笑)」 「意外とお腹出てるんですね」
そんな軽口が叩けるようになった瞬間、組織の空気は一変します。 視覚的な階級差が消滅することで、心理的な距離が一気に縮まるのです。 「ここには、偉い人はいない」。 この暗黙の了解が、後のプログラムでの「爆発的なコミュニケーション」を生む下地となります。

第2章:原始的な共同作業。「口」ではなく「手」を動かす
会議室の「評論家」たち
オフィスでは、「口が達者な人」や「論理的な人」が主導権を握ります。 しかし、口先だけの議論は、何も生み出しません。 必要なのは、泥臭く手を動かし、試行錯誤できる「実行力」です。 マグマリゾートのアクティビティは、口だけで解決できないように設計されています。
ブッシュクラフト・ベースビルディング
チーム対抗で、森の中に「秘密基地」を作ります。 材料は、森に落ちている枝や石、そして麻紐だけ。 のこぎりで木を切り、ロープで結び、雨風をしのげるシェルターを作る。
「部長、そこ支えててください!」 「この結び方じゃ解けちゃうよ。誰か詳しい人いない?」 「私、キャンプ動画よく見てるんで、やってみます!」
ここでは、役職による指示命令系統は機能しません。 「手先が器用な人」「体力がある人」「空間把握能力が高い人」。 それぞれの特性がリーダーシップを発揮する場面が、刻一刻と変わります(状況的リーダーシップ)。
普段はパソコンの前で固まっている若者が、生き生きと木を削る。 普段は指示ばかりの部長が、若手の指示に従って丸太を運ぶ。 汗だくになり、泥汚れを気にせず作業に没頭する中で、互いへのリスペクトが「肩書き」から「人間力」へとシフトします。
「口だけじゃなく、一緒に汗をかいてくれた」。 その事実は、100回の訓示よりも深く、部下の信頼を勝ち取ります。

第3章:焚き火の前の平等。「弱さ」を見せる勇気が、心理的安全性を作る
「強いリーダー」の弊害
「リーダーは常に正しく、強くあるべきだ」。 この思い込みが、組織に「失敗できない空気」を作り出し、心理的安全性を奪っています。 リーダーが鎧を脱ぎ、弱さ(バルネラビリティ)を見せた時、初めて部下は「ここでは本音を言ってもいいんだ」と安心します。
ボンファイア・シェアリング
夜、漆黒の闇の中で、巨大な焚き火を囲みます。 ファシリテーターが投げかけるテーマは、「私の人生最大の失敗」や「今、抱えている不安」。
まずは、社長や役員から語り始めます。 「実は創業の頃、資金繰りで死ぬかと思ったことがあるんだ」 「最近、娘とうまくいってなくてね…」
揺らめく炎を見つめながら語られる、トップの人間臭いエピソード。 それを聞いた社員たちは衝撃を受けます。 「社長も、私たちと同じ人間なんだ」 「雲の上の人だと思っていたけど、同じように悩んでいるんだ」
トップの自己開示(弱さの開示)は、返報性の法則を生み出します。 「実は私も…」と、若手が仕事の悩みを打ち明け始める。 否定も評価もせず、ただ聴く。受け止める。
この夜、組織の血管に詰まっていた「恐れ」や「遠慮」という血栓が溶け、温かい血が流れ始めます。 「何を言っても大丈夫」。 この確信こそが、イノベーションを生む土壌となります。

第4章:未来への合意形成。全員で描く「私たちの地図」
ビジョンの押し付けからの脱却
トップダウンで降りてきた中期経営計画は、社員にとっては「ノルマ」でしかありません。 「自分たちが決めた」という当事者意識(オーナーシップ)がなければ、人は本気で動きません。 関係性がフラットになった合宿の最終日こそ、未来を語る絶好の機会です。
フューチャー・マップ・セッション
翌朝、リゾートの広大な芝生の上で、青空会議を行います。 テーマは「10年後、私たちはどんな会社でありたいか」。
模造紙やホワイトボードではなく、地面に置いた巨大な布に、絵の具やクレヨンで自由に描きます。 「世界中に拠点を持ちたい」「社員の子供たちが遊びに来るオフィスにしたい」。
社長も新入社員も、膝をつき合わせて夢を描く。 「それいいね!」「だったら、こういう商品はどう?」 否定のないブレインストーミング。
そこで描かれた未来図は、誰か一人のものではなく、全員の想いが重なった「私たちのビジョン」です。 「この絵を実現するために、明日から頑張ろう」。 そのコミットメントは、強制されたものではなく、内側から湧き上がる熱源となります。

第5章:【実録ケーススタディ】硬直した組織が「生命体」へと進化した
Case 1:老舗製造業(社長・役員・現場リーダー混合 30名)「風通し改善合宿」
- 課題: 完全なトップダウン組織で、現場からの意見が上がってこない。「言われたことだけやる」受け身の姿勢が蔓延。
- 実施内容:
- アクティビティ: 「ブラインド・サッカー体験」。目隠しをした役員を、若手社員が声だけで誘導する。
- ルール: 役職呼び禁止。ニックネームで呼び合う。
- 成果: 「部下の声を信じないと前に進めない」ことを役員が体感。若手も「上司を動かす面白さ」を知った。帰社後、現場からの改善提案件数が5倍に増加。
事例2:大手商社(部門長クラス・若手抜擢組 20名)「次世代リーダー育成」
- 課題: 優秀だが個人プレーに走る若手と、管理型のベテランの対立。
- 実施内容:「無人島(風)サバイバル」。
- 食材調達(釣り・収穫)から調理まで、自分たちで行う。
- ベテランの「経験知(火起こしなど)」と若手の「検索力・効率化」を融合させる。
- 成果: 互いの強みを認め合う関係に。「俺たちの世代にはない発想だ」「やはり先輩の経験値はすごい」というリスペクトが生まれ、メンター制度が機能し始めた。
事例3:ITメガベンチャー(全社員 100名)「カルチャー再統合・フェス」
- 課題: 急拡大により組織が官僚化。創業時の「野性」が失われつつあった。
- 実施内容:「マグマ・大運動会」。
- 全員お揃いのTシャツで、泥んこ綱引きや騎馬戦。
- 負けたチームのリーダー(役員)が罰ゲームで芸をする。
- 成果: 「カッコつけるのはダサい」という空気が醸成された。泥だらけになって笑い合った記憶が、組織の一体感を強固にし、離職率が低下した。

まとめ:組織は「管理」するものではなく、「熱狂」させるものである
効率化、DX、管理システムの導入。 これらは企業の骨組みを強くしますが、血を流すことはできません。 組織に血を通わせ、熱を持たせるのは、いつだって「生身の人間同士のぶつかり合い」です。
マグマリゾートは、冷え切った組織を解凍し、再び熱狂の渦へと巻き込むための「着火点」です。
スーツを脱いだ社長の背中。 泥だらけで笑う新人の顔。 焚き火の前で流した涙。
それらの記憶は、どんな高価な研修プログラムよりも深く、組織のDNAに刻まれます。
「うちは、いいチームだな」 と心から思える会社を作るために。 マグマリゾートで、お待ちしております。