【経営企画・戦略担当者向け】中期経営計画が「絵に描いた餅」になる理由。不確実な未来を勝ち抜く「複数のシナリオ」を描き出す、マグマリゾートの「ウォーゲーム(戦略シミュレーション)合宿」

「来期は売上120%成長を目指す」 「そのためには、この新商品をヒットさせる」

美しいグラフと、力強い言葉で埋め尽くされた中期経営計画書。 しかし、その計画は「前提条件」が一つ崩れただけで、紙屑同然になってしまわないでしょうか? パンデミック、戦争、急激な円安、AIの破壊的進化。 ここ数年で私たちが学んだことは、「未来は一本道ではない」という残酷な事実です。

それにもかかわらず、多くの企業がいまだに「唯一の正解(ベストシナリオ)」だけを描き、それに賭ける経営を行っています。 これは、戦略ではなく「博打」です。

強い組織に必要なのは、未来を予知することではありません。 「どんな未来が来ても、適応し、生き残る準備ができていること」です。

Aという未来なら、こう攻める。 Bという未来なら、こう守る。 複数のシナリオを持ち、状況の変化に合わせて柔軟に手を打つ「シナリオ・プランニング」の思考。 そして、競合他社や市場の動きをリアルにシミュレーションする「ウォーゲーム(模擬戦)」。

これらを実践するためには、日常の延長線上にある会議室では不十分です。 思考の枠(フレーム)を外し、360度の視点で世界を見渡すための「高台」が必要です。

マグマリゾートは、戦略家たちが日常業務を離れ、未来の戦場を俯瞰するための「前線基地(ベースキャンプ)」です。 刻々と表情を変える活火山と森。 コントロール不能な自然環境は、「不確実性」のメタファー(隠喩)として、参加者の脳を刺激します。

本記事では、机上の空論を排し、荒野で生き抜くための「野生の戦略論」を構築する、マグマリゾート流「戦略シミュレーション合宿」の全貌を解説します。

第1章:直線思考の破壊。自然界に学ぶ「適者生存」のルール

Excelが生む「予定調和」

経営企画の仕事は、Excelとの戦いになりがちです。 「昨対比+ 5%」という数式をオートフィルで伸ばしただけの未来予測。 そこには「競合が予期せぬ新技術を出してくる」「法規制が変わる」といった非連続な変化は織り込まれていません。 Excelのセルの中に閉じ込められた思考を、物理的に開放する必要があります。

マグマ・ネイチャー・オブザベーション

合宿の初日、参加者はガイドと共に森に入り、生態系を観察します。

「この植物は、なぜこんな場所に根を張ったのか?」 「あの大樹が倒れたことで、新しい若木が育っている」

自然界には「計画」はありません。あるのは「適応」だけです。 環境の変化を敏感に察知し、自らを変容させた種だけが生き残る。 この**「適者生存(Survival of the Fittest)」**のリアルを肌で感じることで、「計画通りに進めること」への固執が消えます。

「計画は変わるものだ」 「変化こそがチャンスだ」

この柔軟なマインドセット(OS)を手に入れて初めて、実効性のある戦略議論が可能になります。 自然は、最高の経営コンサルタントなのです。

第2章:敵になりきる。「レッドチーム」による容赦ない攻撃シミュレーション

自社への甘い見積もり

自社で戦略を立てると、どうしても「自社に都合の良い未来」を描いてしまいます。 「競合はすぐには追随しないだろう」「顧客はこの機能を喜ぶはずだ」。 この「希望的観測」を打ち砕くのが、軍事演習に由来する「ウォーゲーム」の手法です。

マグマ・ウォーゲーム

参加者を以下の3つのチームに分けます。

  1. 自社チーム(Blue Team): 自社の戦略を立案・実行する。
  2. 競合他社チーム(Red Team): ライバル企業になりきり、自社を潰すための戦略を考える。
  3. 市場・顧客チーム(Judge): 変化する市場環境や、顧客の心理を演じる。

舞台は、リゾート内の貸切ヴィラ(War Room)。 壁一面に地図や模造紙を貼り出し、模擬戦を開始します。

Blue:「我々は新商品Aを投入し、シェアを取りに行く!」 Red:「甘いな。我々は価格を半額にして、さらに高機能なBをぶつけるぞ!」 Judge:「市場では原料価格が高騰し、消費者の財布の紐が固くなりました」

「えっ、そんな手があったか!」「それじゃ利益が出ない!」 自社チームは、競合(役の同僚)からの容赦ない攻撃と、市場の急変にさらされ、パニックになります。 しかし、この冷や汗こそが重要です。

「我々の戦略は、競合のこの一手で崩壊する脆いものだった」 「リスクだと思っていたことが、実はチャンスかもしれない」

徹底的に攻撃されることで、戦略の穴(脆弱性)が見え、それを補強するための「プランB、プランC」が生まれます。 「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」。 孫子の兵法を、リアルなシミュレーションとして体感します。

第3章:最悪の未来を直視する。「悲観的な準備」が「楽観的な行動」を生む

「不吉なこと」を言えない空気

「もし、南海トラフ地震が起きたら?」「もし、メインバンクが破綻したら?」 会議室で「最悪のシナリオ」を口にすることは、「縁起でもない」「水を差すな」と敬遠されがちです。 しかし、最悪を想定していない戦略は、砂上の楼閣です。

ナイト・メア(悪夢)・セッション

夜、焚き火の周りで行うのは、あえて**「会社が倒産するシナリオ」**を語り合うセッションです。 暗闇と炎の演出が、深層心理にある不安を引き出します。

「実は、あの技術が陳腐化するのが一番怖いんです」 「海外のあの企業が参入してきたら、勝ち目はありません」

全員で「悪夢」を共有し、直視する。 そして、「もしそうなったら、どう生き残るか」を真剣に考える。

「工場が止まったら、サービス業に転換しよう」 「資産を売却すれば、2年は耐えられる」

最悪の事態への対処法(撤退ラインや生存戦略)が決まると、不思議なことに、心に平安が訪れます。 「最悪でも死ぬわけじゃない。なら、思い切って攻めよう」。 悲観的に準備し尽くしたからこそ、現場では楽観的に、大胆に行動できるようになるのです。

第4章:未来からの逆算(バックキャスティング)。「ありたい姿」への道筋

フォアキャストの限界

現状からの積み上げ(フォアキャスト)では、非連続な成長は望めません。 「10年後、どうなっていたいか」という未来(To Be)を定義し、そこから現在へと道を引く(バックキャスティング)思考が必要です。

サンライズ・ビジョン・ロードマップ

合宿の最終日、朝日を浴びながら、未来の年表を描きます。 ウォーゲームで見えた「脅威」と、悪夢セッションで固めた「覚悟」を踏まえた上で、それでも目指したい「理想の未来」とは何か。

「私たちは、業界のルールを変える存在になる」 「社員が世界一幸せな会社にする」

単なる願望ではなく、厳しい現実を直視した上で描かれるビジョンには、重みと説得力があります。 そして、その未来にたどり着くための「最初の一手」を決める。

「帰ったら、まずこのプロジェクトを中止しよう」 「あのアライアンスを進めよう」

戦略とは、何をするか(Do)ではなく、何をしないか(Don’t)を決めることです。 マグマリゾートでの濃密な思考実験を経て、捨てるべきものと、守るべきものが明確になります。

第5章:【実録ケーススタディ】「絵に描いた餅」が「最強の武器」になった日

Case 1:自動車部品メーカー(経営企画室 15名)「EVシフト・サバイバル」

  • 課題: EV化の波に対し、現状維持バイアスが強く、抜本的な転換ができていなかった。中期計画が保守的すぎると社長から突き返されていた。
  • 実施内容:「2035年・架空ニュース制作」
    • 「ガソリン車販売禁止」のニュースが流れた世界を想定し、競合他社(レッドチーム)がどう攻めてくるかをシミュレーション。
  • 成果: 「このままだと3年後に倒産する」という危機感をリアルに共有。既存事業の縮小と、新規事業へのリソース配分を大胆に変更する「戦略プラン」を策定し、承認された。

Case 2:ITベンチャー(ボードメンバー 5名)「ユニコーンへの登山ルート」

  • 課題: 上場を目指す中で、売上至上主義になり、組織が疲弊。ビジョンが見えなくなっていた。
  • 実施内容:「山頂での対話」
    • 実際に山を登りながら、「どのルートで登るか(戦略)」と「なぜ登るのか(目的)」を議論。
    • 悪天候でルート変更を余儀なくされる体験を通じ、柔軟性の重要さを学ぶ。
  • 成果: 「最短ルート(売上)」だけでなく「安全で楽しいルート(組織文化)」も重要だと再認識。無理な数値目標を修正し、持続可能な成長プランへと書き換えた。

Case 3:食品商社(事業部長クラス 20名)「リスク・レジリエンス合宿」

  • 課題: 円安や原材料高騰の影響で利益が圧迫。現場は「どうしようもない」と思考停止していた。
  • 実施内容:「最悪のシナリオ・ハッカソン」
    • 「為替が1ドル200円になったら?」「主要港が封鎖されたら?」
    • 極限状況下での新しいビジネスモデルを強制的に考案。
  • 成果: 「国内販売だけでなく、海外輸出や知財ビジネスもやるべきだ」と発想が転換。ピンチをチャンスに変える多角化戦略が生まれ、実際に新規事業部が立ち上がった。

まとめ:戦略とは、机の上ではなく「戦場」で磨かれる

分厚いファイルに綴じられた中期経営計画書。 それが「安心材料」になっているなら、危険です。 戦略とは、静的な文書ではなく、変化し続ける動的なプロセスです。

マグマリゾートは、安全な会議室を出て、思考の「野戦訓練」を行う場所です。

泥にまみれ、敵に攻め込まれ、悪夢を見る。 その疑似体験(シミュレーション)を経た戦略だけが、予測不能な現実世界で機能する「生きた武器」となります。

「どんな未来が来ても、我々は大丈夫だ」。 その揺るぎない自信を、ここで手に入れてください。 御社の参謀たちの挑戦を、私たちは全力でサポートいたします。

家族旅行が待っています

この話はいかがでしたか?ぜひご家族と一緒に体験しに来てください。

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