「今期の目標は昨対比120%。必達だ」 「組織変更により、新しい体制でスタートする」
4月や10月。期初のオフィスには、独特の緊張感と、少しの疲労感が漂っています。 経営陣は新しい数字を掲げ、現場は「また忙しい一年が始まるのか」と溜息をつく。 昨期の疲れを引きずったまま、新しい靴を履いても、うまく走れるはずがありません。
多くの企業で、期初のキックオフは「数字の通達式」になってしまっています。 しかし、本当に必要なのは、過去(昨期)を一度リセットし、全員が真っ白な気持ちでスタートラインに立つための「儀式」です。
成功体験という慢心も、失敗体験というトラウマも、一度すべて燃やし尽くす。 そして、空っぽになった心に、新しいビジョンと情熱を注ぎ込む。
マグマリゾート。 活火山の麓、太古の森。 ここは、組織が「生まれ変わる(Re-born)」ための場所です。
オフィスという日常の延長線上では、真のリセットは不可能です。 圧倒的な大自然の中に身を置き、物理的にも精神的にも「ゼロ」に戻る。 そこから始まる一歩は、惰性の一歩ではなく、意志を持った力強い一歩となります。
本記事では、マンネリ化した期初会議を、組織の運命を変える「再生の旅」へと昇華させる、マグマリゾート流・期初合宿の全貌を、4000文字超のボリュームで描き出します。

第1章:過去の精算。昨期の「澱(おり)」を焼き尽くす
引きずられる思考
新しい期が始まっても、社員の頭の中には昨期の残像が残っています。 「あのプロジェクトの失敗が…」「あの時の人間関係が…」。 あるいは、「去年うまくいったから、今年も同じやり方でいいだろう」という慢心。 これらの「過去の記憶」が、新しい挑戦への足枷(あしかせ)となります。 新しい戦略をインストールする前に、まずは脳内のメモリをクリアにしなければなりません。
マグマ・リセット・セレモニー
合宿の初日、最初に行うのは「未来の話」ではなく「過去の葬送」です。 森の中の広場で、昨期の「反省点」や「手放したい感情」、あるいは「捨て去るべき成功体験」を紙に書き出します。
「守りに入ろうとする自分」 「部下への過干渉」 「過去の栄光への執着」
そして、その紙を焚き火にくべて燃やす。 炎が紙を舐め、灰になって空へ昇っていくのを見つめる。
「さようなら、昨日の自分」 「ありがとう、昨期の苦労」
この物理的なアクション(儀式)が、脳に強烈な「区切り」を認識させます。 肩の荷が下り、憑き物が落ちたような顔つきになる参加者たち。 ここで初めて、新しいビジョンを受け入れるための「空白」が心の中に生まれます。 ゼロにならなければ、イチは生み出せません。

第2章:翻訳の時間。経営目標を「自分たちの言葉」にする
数字は人を動かさない
「売上10億円」。 経営者にとっては血湧き肉躍る数字でも、現場にとってはただの「ノルマ」です。 上から降りてきた無機質な目標を、そのまま現場に投げても、やらされ仕事になるだけです。 期初に必要なのは、その数字の裏にある「物語(ナラティブ)」を共有し、自分たちの言葉に翻訳するプロセスです。
ビジョン・トランスレーション
開放的な青空の下、車座になって対話を行います。 テーマは「その目標を達成した時、私たちはどんな景色を見ているか?」。
ホワイトボードに数字を書くのではありません。 模造紙に絵を描き、付箋を貼り、未来の情景を可視化します。
「売上が上がれば、もっと面白い開発にお金が使えるね」 「このサービスが広がれば、困っているお母さんたちを笑顔にできる」
経営目標(Company Goal)と、個人のやりがい(Personal Goal)の接点を見つける。 「会社のために」ではなく、「自分の夢のために」その目標を追うのだと腹落ちさせる。
「なるほど、社長が言っていた『120%』って、こういうワクワクすることだったんだ」 翻訳が完了した時、ノルマは「挑戦状」へと変わります。 全員が同じ山の頂(いただき)を見上げ、そこへ登る意味を理解した状態。 これこそが、期初に作るべき「アライメント(目線合わせ)」です。

第3章:新チームの結合。よそよそしさを「家族」の距離感へ
「はじめまして」の壁
期初は、人事異動や新入社員の配属で、チームの顔ぶれが変わる時期でもあります。 「前の部署ではこうだった」「あの人はどんな人だろう」。 探り合いの空気と、遠慮がちなコミュニケーション。 この「心理的な壁」を取り払うのに、オフィスで数ヶ月かけるのは時間の無駄です。 合宿なら、そのプロセスを数時間に短縮できます。
クッキング・チームビルディング
「今夜の夕食は、新チーム対抗のアウトドア料理対決です!」 与えられるのは、食材と道具だけ。 レシピも役割分担もありません。
初対面のメンバー同士でも、目の前の課題(空腹)を解決するためには協力せざるを得ません。 「僕が火を起こします!」「じゃあ私は野菜を切るね」。 作業を通じて、互いの性格や強みが見えてきます。
「〇〇さん、意外と几帳面なんですね」 「部長、料理上手いじゃないですか!」
共に汗を流し、煙に燻され、一つの鍋を囲む。 「同じ釜の飯を食う」という原始的な体験は、理屈を超えて人と人を繋ぎます。 食事を終える頃には、昨日までの「知らない人」は、苦楽を共にした「仲間」に変わっています。 翌日からの業務連絡が、スムーズな雑談から始まる光景が目に浮かびます。

第4章:戦略の予行演習。不測の事態を楽しむ「耐性」をつける
計画通りにはいかない
期初に立てた完璧な計画も、一歩踏み出せば想定外のトラブルに見舞われます。 重要なのは、計画を守ることではなく、変化に対応することです。 しかし、マニュアル通りの研修では、この「対応力」は育ちません。 自然という、最も予測不能な環境でこそ、チームの真価が試されます。
カオス・シミュレーション
マグマリゾートのアクティビティは、あえて「不親切」に設計されています。 地図が曖昧なオリエンテーリング、突然ルールが変わるゲーム。 あるいは、山の天気のように急な雨が降るかもしれない。
「話が違うぞ!」「どうすればいいんだ?」 混乱する現場。 そこで誰が声を上げ、誰が冷静に状況を分析し、誰がみんなを励ますか。
「雨が降ってきたなら、タープを張ろう!」 「ルートが変わったなら、こっちの近道を行こう!」
トラブルを嘆くのではなく、楽しんで乗り越える。 この「レジリエンス(回復力)」を体感することが重要です。
「あの合宿の時の土砂降りに比べれば、今回のトラブルなんて大したことない」 これから始まる1年の困難に対し、チーム全体で「免疫」をつける。 それが、野外で行う期初合宿の隠れた目的です。

第5章:個の覚悟。会社のためではなく「私」のために
主語を変える
組織としての目標は共有されました。チームの結束も固まりました。 最後に必要なのは、一人ひとりの「覚悟(コミットメント)」です。 「会社が言うからやる」という受動的な姿勢(They)から、「私がやりたいからやる」という能動的な姿勢(I)への転換です。
サンライズ・プロミス
最終日の早朝。 マグマリゾートの丘から、新しい1日の始まりを告げる朝日が昇ります。 その圧倒的な光の中で、自分自身への誓いを立てます。
「私は今年、プロフェッショナルとしてここまで成長する」 「俺は、このチームを最高の居場所にする」
上司への報告ではありません。 自分自身の魂への約束です。
大自然の前で宣言した言葉は、嘘がつけません。 その言葉は、心の一番深い場所にアンカー(錨)として下ろされます。
1年後、またここに戻ってきた時、胸を張って「やりきった」と言える自分であるために。 一人ひとりの瞳に宿る、静かだが強い炎。 それが、組織全体を推進する巨大なエンジンの火種となります。

まとめ:始まりよければ、全てよし
1年の計は、元旦にあり。 ビジネスにおける元旦とは、期初のキックオフです。
この最初の数日間を、惰性で過ごすのか、それとも熱狂の中で過ごすのか。 その角度のわずかな違いが、1年後には決定的な差となって現れます。
マグマリゾートでの期初合宿は、単なるイベントではありません。 昨日の自分たちを殺し、新しい自分たちへと生まれ変わるための「通過儀礼(イニシエーション)」です。
「今年のうちは、何かが違うぞ」 「なんだか、いけそうな気がする」
そんな根拠のない、しかし確固たる自信を、参加者全員が持ち帰ることになります。
さあ、ゼロからのスタートです。 過去を捨て、未来を掴むための旅へ。 皆様の新たな船出を、マグマリゾートは全力でサポートします。