「内定を出した学生が、入社までの間に辞退してしまう(内定辞退)」 「4月1日、入社式に来た彼らの顔に、覇気がない」 「入社してすぐに『思っていたのと違う』と言って辞めてしまう」
売り手市場が続く採用戦線において、企業にとってのゴールは「内定を出すこと」ではありません。 彼らが熱意を持って入社し、組織の一員として定着(リテンション)することです。
しかし、内定出しから入社までの数ヶ月間、いわゆる「内定者期間」の過ごし方に頭を悩ませている人事担当者は少なくありません。
月に一度の懇親会。 オンラインでの近況報告。 e-ラーニングでの事前課題。
これらも必要でしょう。 しかし、それだけで彼らの「不安(内定者ブルー)」を払拭し、「この会社で人生を賭けよう」という覚悟を醸成することはできるでしょうか?
就職活動中、彼らは「優秀な学生」という仮面を被り、企業もまた「優良な企業」という仮面を被って接してきました。 その仮面のままで入社日を迎えることへの恐怖。 「本当にこの会社でよかったのか?」 「同期とは上手くやっていけるのか?」
この漠然とした不安を解消するには、表面的な交流会(飲み会)ではなく、もっと深いレベルでの「魂の握手」が必要です。
マグマリゾート。 活火山の麓、飾ることのできない大自然。 ここは、内定者たちが「就活生」という鎧を脱ぎ捨て、素顔の人間として出会い直すための場所です。
入社前から、修羅場を共にする。 入社前から、本音で語り合う。
「4月に会うのが楽しみで仕方がない」。 そう言わせるだけの、強烈な原体験を。
本記事では、内定辞退を防ぎ、入社初日からロケットスタートを切るための、マグマリゾート流・内定者研修の全貌を、4000文字超の熱量で描き出します。

第1章:仮面の剥離。「就活生」を終わらせる儀式
優等生を演じ続ける彼ら
内定式を終えても、彼らはまだ緊張しています。 「人事の評価を落としたくない」「同期にナメられたくない」。 就職活動で身につけた「完璧な優等生」の仮面(ペルソナ)を、なかなか外すことができません。 この緊張状態が続くと、本音のコミュニケーションができず、表面的な付き合いに終始してしまいます。 結果、深い人間関係が築けず、「ここに居場所がない」と感じて辞退に繋がるのです。 必要なのは、彼らが安心して「素(す)」を出せる環境と、強制的に仮面を剥がす仕掛けです。
マグマ・アイスブレイク
「今日からここでは、敬語禁止、あだ名で呼び合うこと!」 マグマリゾートに到着した瞬間、人事担当者が宣言します。 そして、全員がスーツからジャージやアウトドアウェアに着替えます。
最初に行うのは、泥んこバレーや、川の中でのストーンハンティングなど、理屈抜きに身体を動かすアクティビティです。 綺麗にセットした髪が乱れ、服が汚れ、息が上がる。
「わー! 冷たい!」 「あはは、顔に泥ついてるよ!」
物理的に汚れることで、心理的な「汚れ役」への抵抗感が消えます。 カッコつけてなんていられない状況。 笑顔と悲鳴が入り混じるカオス。
「あいつ、面接の時はクールだったけど、実はムードメーカーなんだな」 「あの子、意外とガッツがある」
身体をぶつけ合うことで、数ヶ月分の「探り合い」が一瞬で解消されます。 「就活用の自分」から「本当の自分」へ。 この解放感こそが、彼らがこの会社に愛着を持つための第一歩(エントリー)となります。 「この同期となら、素の自分でいられる」。 その安心感が、内定者期間の不安を打ち消します。

第2章:最初の共闘。入社前の「成功体験」を作る
「お客様」ではないという自覚
内定者期間中、彼らはどうしても「会社から接待される側(ゲスト)」になりがちです。 しかし、4月1日からは「価値を生み出す側(プロ)」にならなければなりません。 このギャップが入社後のリアリティ・ショックを生みます。 まだ社員ではありませんが、彼らにも「何かを成し遂げる苦労と喜び」を味わってもらう必要があります。 「与えられる」のではなく「自分たちで作る」体験。 それが、入社へのモチベーションエンジンとなります。
ワイルド・ランチ・プロジェクト
「今日の昼食は、この食材を使って、自分たちでメニューを考え、調理してください」 レシピなし。調理器具はダッチオーブンと焚き火台のみ。
「え、火起こしから?」 「お米の水加減、どうする?」
初めての共同作業。 料理が得意な人が指揮を執り、力持ちが薪を割り、几帳面な人が野菜を切る。
「火が強すぎる! 焦げるぞ!」 「誰か水持ってきて!」
思い通りにいかないトラブル。 しかし、それをみんなで乗り越えるプロセスこそが重要です。
完成した、少し芯の残ったご飯と、煙の匂いがするカレー。 「いただきます!」
「うまい! 俺たちが作ったんだもんな!」 「大変だったけど、楽しかったね」
入社前に、「チームで協力して成果を出した」という小さな成功体験を作る。 これが彼らの自信(自己効力感)になります。 「仕事って、大変だけど面白いかもしれない」。 働くことへのポジティブなイメージを、理屈ではなく五感で刷り込むのです。

第3章:DNAの注入。企業文化を「体感」する
理念の唱和より強いもの
「我が社の理念は『挑戦』です」。 内定者懇親会でそう説明されても、彼らにはピンときません。 「挑戦」という言葉の解像度が低いからです。 言葉で説明するのではなく、体験を通して企業のDNAをインストールする必要があります。 「この会社が大切にしている『挑戦』とは、こういう手触りのものだ」と、身体で理解させるのです。
ミッション・イン・ザ・フォレスト
企業理念をメタファー(隠喩)にしたアクティビティを行います。
もし理念が「チームワーク」なら、全員で手を繋いで川を渡るミッション。 誰か一人が転べば、全員が濡れる。 「支え合うって、こういう重みなんだ」。
もし理念が「泥臭さ」なら、道なき藪を漕いで進むブッシュクラフト。 「綺麗な道を行くのが正解じゃないんだ」。
アクティビティの後、人事担当者や先輩社員が語りかけます。 「さっきの川渡り、君たちが必死に手を繋いでいただろ? うちの会社では、仕事でもあれをやるんだよ」 「独りでカッコつけるより、泥だらけで助け合うのが、うちの流儀だ」
体験と言葉がリンクした時、彼らは企業のカルチャーを深く理解(腹落ち)します。 「自分はこの会社のカルチャーに合っているか?」という不安が、「このカルチャーの中で成長したい」という確信に変わります。 DNAは、知識として学ぶものではなく、感染するものです。

第4章:ブルーの解消。焚き火が引き出す「不安」の共有
「楽しみです」という嘘
「入社、楽しみです!」 人事の前ではそう言う彼らも、裏では不安で押し潰されそうになっています。 「配属ガチャはどうなるのか」「上司は怖い人じゃないか」「本当にやっていけるのか」。 このネガティブな感情(内定者ブルー)を一人で抱え込ませてはいけません。 吐き出させ、共有し、「みんな同じなんだ」と安心させる場が必要です。
ボンファイア・ナイト・トーク
夜、焚き火を囲んでのリラックスタイム。 人事担当者はあえて席を外し、内定者(と、年齢の近い若手社員数名)だけにします。 テーマは「ぶっちゃけ、今どう思ってる?」。
炎のゆらぎ(1/fゆらぎ)が、本音を引き出します。
「正直、朝起きられるか自信ないんだよね」 「俺、実は第一志望じゃなくてさ…」
ネガティブな発言もOK。 それを聞いた同期たちが頷く。 「分かる! 私もめっちゃ不安」 「みんなそうなんだ、よかった」
不安は、共有することで半分になります。 そして、先輩社員が焚き火越しに語ります。 「俺も新人の頃は毎日辞めたいと思ってたよ(笑)。でも、こんな楽しいこともあってさ…」
リアルな失敗談と、それを乗り越えた今の姿。 「あんな先輩でも悩んでたんだ」。 ロールモデルが見えることで、未来への恐怖が希望へと変わります。 この夜、彼らは「内定者」という孤独な点から、「同期」という強固な線で結ばれます。

第5章:未来への誓い。4月1日への「約束」
契約書ではない約束
内定承諾書へのサインは、法的な契約に過ぎません。 必要なのは、心からのコミットメント(約束)です。 「この仲間と一緒に、この会社で頑張るんだ」という決意。 それを形にする儀式が、研修のクライマックスです。
サンライズ・レター
最終日の早朝、日の出と共に。 活火山を望む絶景ポイントで、彼らは「未来の自分」あるいは「同期」へ宛てた手紙を書きます。
「半年後、仕事に慣れてきた自分へ。今日のこの熱い気持ちを忘れないで」 「同期のみんなへ。辛い時は助け合おう。絶対に辞めないで、一緒にリーダーになろう」
そして、その手紙をタイムカプセルに入れるか、あるいは一人ずつ大声で宣言します。
「私は、新人賞を獲ります!」 「俺たちは、最強の世代になります!」
朝日が彼らの顔を照らす。 その表情には、もう迷いはありません。 「ここで誓った」。 この記憶が、入社までの数ヶ月間、彼らを支えるアンカー(錨)となります。 他の会社に目移りすることなく、4月1日を指折り数えて待つようになる。
「また4月に、この笑顔で会おう」。 固い握手。 それは、学生気分の卒業式であり、プロフェッショナルへの入学式です。

まとめ:内定者研修は、最初のリテンション施策である
入社してから定着率を上げようとしても、手遅れな場合があります。 勝負は、内定を出した瞬間から始まっています。
マグマリゾートでの内定者研修は、単なる「思い出作り」ではありません。 彼らの心に、会社への帰属意識(エンゲージメント)という種を蒔き、同期との絆という根を張らせるための、戦略的なリテンション施策です。
「うちの内定者たち、すごく仲が良いんです」 「入社式の日から、目の輝きが違いました」
そんな奇跡のような世代を創り出すために。 まだ何色にも染まっていない彼らを、御社の熱いマグマの色に染め上げてください。
4月、桜の季節に満開の笑顔を咲かせるために。 マグマリゾートで、お待ちしております。