組織を再生せよ。マグマ組織開発

「組織開発」 近年、多くの企業で注目されている言葉です。

人材育成(Human Resource Development)が「個人のスキル」を伸ばすことを目的とするのに対し、組織開発は「組織のカルチャーや関係性」に働きかけ、組織そのものを健全で機能的な状態へと変革することを目的としています。

なぜ今、組織開発が必要なのか。 それは、個人の能力が高くても、組織という「土壌」が痩せていれば、決して花は咲かないからです。

「正論が通らない」 「部門間の壁が厚い」 「失敗を隠す文化がある」

これらは、個人のスキルの問題ではなく、組織全体に蔓延する「慢性疾患」です。 この病を治すには、対症療法的な研修や、人事制度の変更だけでは不十分です。 組織の血管に詰まった老廃物を流し、凍りついた人間関係を溶かし、組織全体の血流(エネルギー)を劇的に改善する「外科手術」が必要です。

マグマリゾート。 地熱が循環し、破壊と再生を繰り返す、地球の巨大な実験室。 ここは、制度疲労を起こした組織OS(オペレーティングシステム)を初期化し、自律的に進化する生命体としての組織へと生まれ変わらせるための、再生の地です。

機械の修理ではない。生命の蘇生だ。

本記事では、小手先の改善ではなく、組織のDNAレベルからの変革を促す、マグマリゾート流・組織開発合宿の全貌を、4000文字超の熱量で描き出します。

第1章:システムを見る。目に見えない「力学」を可視化する

氷山の下に潜る

組織には「目に見える要素(ハード)」と「目に見えない要素(ソフト)」があります。 戦略、組織図、規定などは目に見えますが、これらは氷山の一角に過ぎません。 水面下にある、価値観、感情、不文律、人間関係の質。 これら目に見えない要素こそが、組織のパフォーマンスを決定づけています。 組織開発の第一歩は、普段は見過ごされているこの「見えない力学(システム)」を可視化し、直視することです。 しかし、オフィスという日常空間では、これらのソフトな要素は業務の忙しさに埋もれてしまいます。

マグマ・コンステレーション(配置)

「言葉を使わずに、今の組織の状態を、皆さんの立ち位置で表現してください」 マグマリゾートの広大なフィールド。 参加者たちは、自分自身を「組織の構成要素」に見立てて配置につきます。

社長役の人が真ん中に立つ。 営業部は遠く離れて背を向けている。 開発部は固まって下を向いている。

「営業部の方、なぜそこに立っているのですか?」 「社長の声が遠くて聞こえないし、開発部とも目が合わないからです」

物理的な配置(コンステレーション)にすることで、組織の歪みや断絶が一目瞭然になります。 「なんとなく感じていた違和感は、これだったのか」。 言葉では言えなかった「距離感」や「冷たさ」が、視覚情報として共有されます。 「我々の組織は今、こういう形をしている」。 この痛みを伴う現状認識(診断)なくして、治療は始まりません。 大自然のキャンバスが、組織のレントゲン写真を映し出します。

第2章:解凍(アンフリーズ)。「語ってはいけないこと」を燃やす

組織を縛る亡霊

どの組織にも、アンタッチャブルな領域があります。 「あの失敗については触れてはいけない」「創業家には逆らえない」「前例踏襲が絶対」。 これらの「語られないルール(Unspoken Rules)」が、組織の変化を阻む岩盤となっています。 組織変革の父、クルト・レヴィンは「変革にはまず『解凍(Unfreeze)』が必要だ」と説きました。 カチカチに凍りついた固定観念やタブーを溶かさなければ、新しい形にはなれません。 溶かすために必要なのは、圧倒的な熱量と、心理的な安全性です。

タ ブー・バーニング

「我が社にはびこる『おかしいこと』『変えたいこと』を、すべて紙に書き出してください」 無記名で、忖度なし。

「会議のための会議が多すぎる」 「失敗した人間が左遷される恐怖政治」 「ビジョンと実態が乖離している」

普段は口にすれば即アウトな内容も、ここでは許されます。 そして、その大量の紙を、燃え盛る焚き火の中に投げ込みます。

「こんな慣習、燃やしてしまえ!」 「俺たちは、もうこれに縛られないぞ!」

物理的に燃やすという行為(儀式)が、心理的な呪縛を解き放ちます。 炎を見つめながら、参加者たちは感じます。 「言ってもよかったんだ」。 「みんな同じことを思っていたんだ」。 秘密が共有された時、組織の氷は溶け始め、変化を受け入れる準備が整います。 ここからが、本当の組織づくりのスタートです。

第3章:対話(ダイアログ)。「議論」ではなく「意味」を生成する

勝ち負けのある会議

通常の会議は「議論(ディベート)」になりがちです。 自分の意見を通し、相手を論破し、正解を決める場。 しかし、組織開発において必要なのは「対話(ダイアログ)」です。 結論を急がず、互いの背景や意味を探求し、新しい意味を共に生成するプロセス。 「AかBか」ではなく、「AとBの背景にあるCという真実」を見つける作業です。 しかし、オフィスの蛍光灯の下では、どうしても効率を求めてしまい、深い対話は生まれません。

ネイチャー・サークル・ダイアログ

森の中、車座になって座ります。 中心にはトーキング・スティック(話す権利を持つ棒)の代わりとなる、一本の流木。

ルールはシンプル。 「棒を持っている人だけが話せる」 「聞き手は、評価判断を保留して、ただ聴く」

テーマは「私たちは、何のためにここに存在するのか?」。 正解のない問い。

「私は、生活のために働いています。でも、本当はもっと誇りを持ちたい」 「昔はあった熱気が、今は冷めているのが寂しい」

流木が回るたびに、深層心理が語られます。 議論のように言葉を遮られることがないため、安心して内面を吐露できる。

「そうか、君のあの行動は、反抗ではなく、寂しさだったのか」 「部長の厳しさは、会社への愛だったんですね」

対話を重ねることで、互いの「メンタルモデル(思考の枠組み)」が見えてきます。 誤解が解け、分断されていた関係性が編み直される。 「私たち」という主語が、自然と口をついて出るようになる。 対話こそが、組織の血流を回復させる唯一のポンプなのです。

第4章:創発(エマージェンス)。カオスから「秩序」が生まれる

管理された計画の限界

従来型の組織変革は、「計画的変革」でした。 トップが青写真を描き、上から下へ落とす。 しかし、複雑性が増した現代において、トップダウンの計画だけで現場は動きません。 現場の相互作用の中から、予期せぬ新しい秩序やアイデアが生まれる「創発的変革」が求められています。 そのためには、あえて管理を手放し、カオスな状況を作り出し、現場の自律的な動き(自己組織化)を誘発する必要があります。

ワイルド・ビルド・プロジェクト

「この森にある倒木や岩を使って、全員がくつろげる巨大な『場』を作ってください。リーダーは決めません。役割も決めません」 指示命令系統のない、完全なフラットな状態。

最初は混乱します(カオス)。 「誰が指示するの?」 「どうすればいいの?」

しかし、やがて誰かが動き出します。 「とりあえず、木を集めよう」 「僕は設計が得意だから、図面を引いてみる」 「私は体力がないから、小枝を拾うわ」

リーダーシップが固定されず、状況に応じて次々と入れ替わる(シェアド・リーダーシップ)。 「あっちで木が足りないぞ!」「こっちを手伝って!」 情報のハブが自然発生し、有機的な連携が生まれる。

誰に言われるでもなく、自分の強みを活かして全体に貢献する。 そして完成した、独創的な建築物。

「指示されなくても、俺たちは動けるんだ」。 「カオスの中から、こんなすごいものが生まれた」。 この成功体験が、組織の自律性を目覚めさせます。 「管理しなくても、組織は生きている」。 その生命力を信じることこそが、組織開発の真髄です。

第5章:再凍結(リフリーズ)。新しい「文化」を定着させる

元に戻ろうとする力

変革の最後の敵は「揺り戻し」です。 合宿で高まった熱量も、日常の業務に戻れば、旧来の慣習という引力に引き戻されます。 レヴィンは、変革の最終段階として「再凍結(Refreeze)」を挙げました。 新しく生まれた価値観や関係性を、組織の新しい「当たり前(文化)」として定着させるプロセスです。 そのためには、言葉だけではない、身体的な記憶と象徴(シンボル)が必要です。

サンライズ・カルチャー・コード

最終日の夜明け。 新しく生まれ変わった組織の「憲法(カルチャー・コード)」を策定します。 しかし、それはカッコいいスローガンではありません。 この合宿での体験から紡ぎ出された、生きた言葉です。

「『分からない』と言うことを恥じない(対話の記憶)」 「役職ではなく、役割で動く(創発の記憶)」 「見て見ぬふりをせず、焚き火にくべる(解凍の記憶)」

全員で、その言葉を読み上げ、朝日に誓います。

そして、そのコードを刻んだ木製のプレートや石碑を制作し、持ち帰ります。 これは、オフィスの入り口や会議室に飾られます。

それを見るたびに、あの森の匂い、焚き火の温かさ、カオスを乗り越えた高揚感が蘇る。 「私たちは、こういう組織に変わったんだ」。 新しいOSが、日々の行動を通じて上書き保存されていく。 組織開発は、イベントではなく、終わりのないプロセスです。 しかし、この夜明けが、確かな「変曲点」となることは間違いありません。

まとめ:組織は「機械」ではなく「庭」である

従来の経営学は、組織を「機械」のように捉え、パーツ(人)を交換し、油(金)をさせば動くと考えてきました。 しかし、組織開発の視点では、組織は「庭(ガーデン)」です。 植物(人)は、それぞれの特性を持ち、土壌(文化)の状態によって育ち方も変わります。 無理やり引っ張っても育ちません。 必要なのは、日当たりを良くし、水をやり、雑草を抜き、生態系全体のバランスを整えること。

マグマリゾートでの組織開発合宿は、荒れ果てた庭を、生命力あふれる豊かな森へと再生させるための、集中的な土壌改良プロセスです。

「うちの会社、最近なんか空気がいいよね」 「みんなが自発的に動き始めた」

それは、組織の生命力が回復した証拠です。 生き生きとした組織には、必ず良い成果が実ります。

組織の庭師(リーダー)たちへ。 最高の土壌と、再生のエネルギーを、マグマリゾートが用意してお待ちしております。

家族旅行が待っています

この話はいかがでしたか?ぜひご家族と一緒に体験しに来てください。

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