「また経理に予算を削られた」 「財務は現場の苦労を分かっていない」
社内からそんな陰口を叩かれながら、一人黙々とExcelに向かう日々。 CFO(最高財務責任者)や財務・経理部門の皆様は、企業の健全性を守る「最後の砦」として、孤独な戦いを強いられているのではないでしょうか。
コスト削減、コンプライアンス遵守、決算早期化。 これらの守りの業務(守勢)は完璧にこなして当たり前。 さらに現代では、人的資本への投資判断、DXのROI(投資対効果)測定、そしてESG経営への対応など、攻めの経営判断(攻勢)への参画が強く求められています。
しかし、モニターの中の「数字」だけを見ていて、正しい投資判断ができるでしょうか? 現場の「熱量」や、顧客の「笑顔」という、財務諸表には載らない資産(インタンジブル・アセット)を見落としていないでしょうか?
「数字しか見ない人」から、「数字を使って未来を創る人」へ。 その変革(トランスフォーム)のためには、一度、数字の檻から抜け出し、ビジネスの現場である「リアル」に身を置く必要があります。
マグマリゾートは、論理(ロジック)の極地にいる皆様に、感性(センス)と大局観(パースペクティブ)を取り戻していただくための場所です。 静寂な森の中で思考を研ぎ澄まし、事業部門のリーダーと腹を割って語り合う。 その時間は、決してコスト(費用)ではありません。将来の企業価値を生み出すための、最も確実な投資(インベストメント)です。
本記事では、管理部門の枠を超え、経営の中枢を担う「真のCFO組織」を作るための、マグマリゾート流「ファイナンス合宿」の全貌を解説します。

第1章:Excelを閉じよ。数字の向こう側にある「現場のリアリティ」を体感する
「管理」の限界
財務部門の最大の弱点は、現場との距離感です。 「なぜこの交際費が必要なのか」「なぜこの設備投資が回収できないのか」。 現場に行かずに数字だけで判断しようとすると、現場との間に不信感が生まれ、正確な情報が上がってこなくなります。 正しい財務戦略は、正しい現場理解の上にしか成り立ちません。
マグマ・フィールド・ワーク
合宿では、PCと電卓を封印します。 代わりに行うのは、リゾート運営の裏側に入り込む「ビジネス・トレース(追跡)」です。
例えば、リゾート内のレストランの厨房に入り、食材の廃棄ロスがどのように発生するかを見る。 あるいは、エネルギー管理室で、ボイラーの燃料費が気温によってどう変動するかを肌で感じる。
「なるほど、この『雑費』の裏には、スタッフのこんな工夫があったのか」 「この『修繕費』をケチると、顧客満足度が下がってリピート率(LTV)に響くんだな」
PL上の「勘定科目」が、生々しい「現場の活動」として立体的に見えてきます。 この身体感覚(肌感)を持ったCFOの言葉は、重みが違います。 「無駄を削れ」ではなく「ここには投資すべきだ」という、現場が納得する戦略的な提言ができるようになるのです。

第2章:「No」と言う勇気、「Yes」と言う覚悟。事業部長との「信頼(トラスト)」構築
対立構造を乗り越える
多くの企業で、事業部長(攻め)とCFO(守り)は対立関係にあります。 事業部長は「予算をくれ」と言い、CFOは「回収根拠は?」と返す。 この不毛な駆け引き(社内政治)が、意思決定のスピードを殺しています。 必要なのは、対立ではなく、共通のゴール(企業価値向上)に向けた「建設的な対話」です。
焚き火クロス・トーク
マグマリゾートでは、財務部門単独ではなく、事業責任者をゲストに招いた合同合宿を推奨しています。 会議室のテーブル越しではなく、焚き火を囲んで隣同士に座ります。
「実は、君の事業プランにはワクワクしているんだ。ただ、株主への説明がつかないから、一緒にロジックを考えてくれないか」 「財務の視点だと、このリスクはどう見える?」
利害を超えた「一人の人間」として対話することで、互いの正義(守るべきもの)を理解し合います。 「あいつは口うるさいが、会社のことを一番に考えている」。 その信頼関係さえあれば、厳しい予算査定も「事業を成功させるための愛の鞭」として受け入れられるようになります。 「CFOが言うなら間違いない」。そう言われる信頼資産を、この夜に築くのです。

第3章:エクイティ・ストーリー(成長物語)を紡ぐ。投資家を魅了する「ナラティブ力」
数字だけでは株価は上がらない
IR(投資家向け広報)において、正確な決算開示は最低条件に過ぎません。 投資家が本当に知りたいのは、その数字の先にある「企業の未来図(エクイティ・ストーリー)」です。 「我が社はどこへ向かうのか」「なぜ成長できるのか」。 これを語るには、財務スキルだけでなく、人を惹きつける「ナラティブ(物語)力」が必要です。
ビジョン・アーキテクチャ(構築)
大自然の圧倒的なスケール感は、思考の枠を広げます。 合宿のワークショップでは、5年後、10年後の中期経営計画(中計)の骨子を練り上げます。
単なる「前年比+ 5%」の積み上げではありません。 「2030年、社会課題をこう解決する」というバックキャスティング思考で、大胆な未来を描きます。
「この森のように、持続可能なエコシステムを作りたい」 「この火山のように、爆発的なエネルギーを市場に投入したい」
自然からのメタファー(比喩)を取り入れることで、無味乾燥だった数値計画に「体温」と「彩り」が宿ります。 熱のこもったストーリーは、投資家の心を動かし、結果としてPBR(株価純資産倍率)の向上へと繋がります。

第4章:次世代CFOの育成。専門バカにしないための「リベラルアーツ」
簿記一級だけではCFOになれない
若手や中堅の経理部員は、どうしても目の前の処理業務や資格勉強に没頭し、視野が狭くなりがちです。 しかし、将来のCFO候補には、歴史、哲学、地政学といった幅広い教養(リベラルアーツ)と、大局的な判断力が求められます。
森の哲学教室
マグマリゾートでは、思考力を深めるためのプログラムを用意しています。
- トレッキング・ダイアログ: 山を歩きながら、「効率とは何か?」「豊かさとは何か?」といった抽象的な問いについて議論する。
- アート鑑賞: リゾート内のアート作品に触れ、論理(ロジック)では説明できない「美意識」を養う。
「正解のない問い」に向き合う訓練は、AIには代替できない「高度な意思決定能力」を磨きます。 「数字はあくまで結果であり、本質は人間活動にある」。 この真理に気づいた若手は、単なる「計算係」から「経営者のパートナー」へと視座を高めます。

第5章:【実録ケーススタディ】「嫌われ役」が「最強のパートナー」になった日
事例1:上場準備中(IPO)ベンチャー(管理部長・経理担当 5名)「上場審査突破合宿」
- 課題: 証券会社や監査法人からの膨大な質問対応に追われ、チームが疲弊。目的を見失い、殺伐としていた。
- 実施内容:「完全オフ・リセット」。
- 24時間、PC禁止。温泉と睡眠だけを徹底する。
- 最終日に「上場のベルを鳴らす自分たち」を具体的にイメージする予祝を行う。
- 成果: 脳の疲労が回復し、処理スピードが向上。「何のために上場するのか」という原点に立ち返り、審査質問に対して自信を持って回答できるようになった。無事上場承認を獲得。
事例2:大手製造業(経理部・事業企画部 合同30名)「予算策定キックオフ」
- 課題: 毎年の予算策定が「削る側」と「守る側」の泥沼の戦いになっていた。
- 実施内容:「リソース配分ゲーム」。
- 仮想の会社を運営し、限られた資金をどう投資すれば最大リターンが得られるかをチーム対抗で競う。経理と事業部を混成チームにする。
- 成果: 経理側は「投資の必要性」を、事業側は「キャッシュフローの重要性」をゲームを通じて体感。「全社最適」の視点が共有され、実際の予算会議が「戦い」から「作戦会議」へと進化した。
事例3:地方銀行(融資課長・審査役 20名)「目利き力向上合宿」
- 課題: 決算書の数字だけで融資判断をしてしまい、企業の将来性(ポテンシャル)を見抜けない。
- 実施内容:「社長の人間力・観察ツアー」。
- リゾート内で働くスタッフや、取引先の農家を訪問し、「数字に表れない努力や工夫」を見つけ出してレポートする。
- 成果: 「経営者の熱意」や「現場の士気」といった非財務情報の重要性に開眼。リスクを取って地元の有望企業を支援する姿勢が生まれ、地域経済の活性化に貢献した。

まとめ:CFOとは、企業の「未来」をデザインする仕事だ
CFO(Chief Future Officer)。 これからのCFOは、財務(Financial)だけでなく、未来(Future)の責任者であるべきだと私たちは考えます。
数字という「過去の結果」を管理するだけでなく、数字を使って「未来の可能性」を最大化する。 そのためには、時には計算機を置き、大自然の中で未来の風を感じる時間が必要です。
「彼らがいるから、安心して攻められる」。 「彼らがいるから、道を踏み外さない」。
全社員からそう信頼される、強くて優しい管理部門へ。 マグマリゾートは、御社の「要(かなめ)」である皆様を、心からの敬意を持ってお迎えします。
さあ、数字の森を抜けて、本物の森へ行きましょう。 そこで得た気づきが、御社の次の成長カーブを描く「鉛筆」になります。