「今月も目標未達だ。マーケティングがもっと質の良いリードをよこさないからだ」 「営業はリードを放置しすぎだ。インサイドセールスが温めた案件を、クロージングで潰している」
オフィスの会議室で、あるいは喫煙所で、このような陰口が囁かれていないでしょうか? 営業部門(Sales)とマーケティング部門(Marketing)。 企業の成長を担う両輪であるはずの二つの部署が、互いに背を向け、責任を押し付け合う。 この「不毛な冷戦」は、多くのBtoB企業が抱える構造的な病(サイロ化)です。
営業は「今月の数字」を追い、マーケティングは「将来の認知」を追う。 見ている景色(時間軸)と評価指標(KPI)が異なるため、放っておけば対立するのは必然です。 しかし、顧客から見れば、営業もマーケティングも同じ「御社」です。 内部の連携ミスによる対応の遅れや、メッセージの不一致は、即座に失注へと繋がります。
今、求められているのは、両者を統合した概念「Smarketing(Sales + Marketing)」の実装です。 しかし、定例会議の回数を増やしても、ツール(SFA/MA)を導入しても、心の壁は消えません。 必要なのは、PC画面上の数字(リード数や受注率)を議論することではなく、生身の人間として「お互いの苦労」と「顧客の顔」を共有することです。
マグマリゾートは、対立する二つの部族が、武器を置き、同じ焚き火を囲むための「中立地帯」です。 大自然の中で、互いの正義をぶつけ合い、そして融合させる。 ここでの合宿は、組織の分断を修復し、最強の「レベニュー(収益)チーム」を作るための最短ルートです。
本記事では、営業とマーケが手を取り合い、爆発的なシナジーを生み出すための、マグマリゾート流「連携強化合宿」の全貌を解説します。

第1章:KPIの奴隷になるな。「リード」の向こうにいる「人間」を見る
数字の投げ合い
「リード件数100件達成しました(マーケ)」「でもアポになったのは3件だけだぞ(営業)」 数字だけの議論は、互いを疲弊させます。 マーケターは「数」を稼ぐために必死になり、営業は「質」を求めて文句を言う。 そこに欠けているのは、「顧客(カスタマー)への解像度」です。 リードという無機質なデータではなく、その向こうにいる「悩める人間」の姿が見えていないのです。
ペルソナ・ハント(顧客憑依)
マグマリゾートの合宿では、顧客を再定義するワークショップを行います。 会議室ではなく、森の中で行います。
「私たちの顧客は、どんな痛みを抱えている?」 「彼らが本当に求めている『救い』は何だ?」
森の中を歩きながら、顧客になりきって(憑依して)対話します。 「部長に怒られて、藁にもすがる思いで検索したのかもしれない」 「導入したいけど、失敗したら自分の評価が下がるのを恐れているのかもしれない」
大自然の静寂は、想像力を高めます。 「リード」という記号が、「〇〇さんという一人の人間」として立体的に立ち上がってくる。 その時、マーケターは「ただ数を集めればいいわけじゃない」と気づき、営業は「彼らの不安を取り除くのが俺たちの仕事だ」と気づきます。 顧客という「共通の主語」を持てた時、両者の対立は「共闘」へと変わります。

第2章:バトンゾーンの設計。「パス」の精度を高める身体的コミュニケーション
「渡した」「受け取っていない」
連携ミスの多くは、マーケティングから営業(またはインサイドセールス)への「引き継ぎ(トスアップ)」の瞬間に起きます。 「情報はSFAに入力しておきました」 「見てる暇なんてないよ。口頭で言ってくれよ」 この認識のズレが、貴重な商機をドブに捨てさせます。
マグマ・リレー・チャレンジ
この「引き継ぎ」の難しさを体感するために、「チーム対抗リレー」を行います。 ただし、普通のリレーではありません。 バトンは「生卵(割れやすい案件)」や「水が入ったコップ(情報の鮮度)」です。 走るコースは、リゾート内の起伏に富んだオフロード。
「はい、渡すよ!」「しっかり受け取って!」 「右側に段差があるから気をつけて!」
走る速度(リードタイム)も重要ですが、何より大切なのは「バトンを落とさない(失注しない)こと」です。 渡す側(マーケ)は、受け取る側(営業)が取りやすいように配慮しなければなりません。 受け取る側は、渡す側が必死に走ってきたことを知る必要があります。
「俺たちが雑なパスを出していたから、営業が苦労していたんだな」 「マーケが泥だらけになって運んできたバトンだ。絶対にゴール(受注)まで運んでやる」
身体を使った連携体験は、SFA上のステータス変更という作業に「体温」を宿らせます。 「ナイスパス!」「頼んだぞ!」 そんな声がオフィスで飛び交うようになるための、原体験です。

第3章:フィードバックのループを回せ。「失注」を「資産」に変える夜
「負け」の責任転嫁
失注した時、営業は「商品が悪い、リードが悪い」と言い、マーケは「営業力が低い」と言います。 この責任転嫁が起きている限り、組織は学習しません。 失注理由こそが、次のマーケティング施策や商品改善のヒントになる「宝の山」なのに、それが共有されていないのです。
焚き火・ブレイムレス(非難なき)レビュー
夜、焚き火を囲んで、アルコールを片手に「失注検討会」を行います。 ルールは一つ。「誰(Who)ではなく、何(What)が悪かったかを話すこと」。
営業:「正直、あのお客様は最初から冷やかしだと思っていたんだ」 マーケ:「ごめん、実はリード獲得の広告文言を少し煽りすぎたのかもしれない」
炎の前では、不思議と素直になれます。 互いのミスを責めるのではなく、事実として認める。 「じゃあ、次は広告のターゲットをこう変えよう」 「営業資料にこの事例を追加してくれたら、もっと刺さると思う」
フィードバックが「攻撃」ではなく「改善の提案」として受け入れられる関係性。 このループ(循環)が回り始めれば、組織の学習スピードは飛躍的に向上します。 「失注」は「敗北」ではなく、成功への「データ収集」に変わるのです。

第4章:CRO(最高収益責任者)視点を持つ。全体最適の地図を描く
部分最適の罠
マーケティング部は「リード数」、営業部は「受注額」。 それぞれのKPIだけを追っていると、全体最適(LTVの最大化)が損なわれます。 全員が「CRO(Chief Revenue Officer)」の視点を持ち、プロセス全体に責任を持つ必要があります。
巨大カスタマージャーニー・マップ作成
合宿の2日目は、リゾートの広大な床や壁を使って、「理想のカスタマージャーニー」を描きます。 認知から購買、そしてファン化までの長い道のり。 どこでマーケが仕掛け、どこで営業が刈り取り、どこでCS(カスタマーサクセス)がサポートするか。
模造紙をつなぎ合わせ、付箋を貼り、全員で議論しながら地図を作ります。 「ここで営業が電話するよりも、メルマガで温めた方がいいんじゃないか?」 「この段階でマーケが介入すると、顧客は引いてしまうかも」
部署の境界線(サイロ)を消しゴムで消し、顧客にとって最適な体験(UX)を再設計する。 完成した巨大なマップは、全員の合意形成の証です。 「俺たちは、この地図を持って戦うんだ」。 その共通認識が、迷いのない迅速な連携を生み出します。

第5章:【実録ケーススタディ】壁が消え、売上が倍増した日
事例1:BtoB SaaS企業(営業20名・マーケ10名)「インサイドセールス統合合宿」
- 課題: マーケが獲得したリードを、インサイドセールス(IS)が捌ききれず放置。フィールドセールス(FS)からは「アポの質が低い」とクレームの嵐。
- 実施内容:「電話交換手ごっこ」。
- マーケ担当者がIS役となり、実際の顧客(役の社員)に架電ロープレを行う。
- 顧客の冷たい反応や、ガチャ切りされる辛さを体験。
- 成果: 「こんなに大変なことをやっていたのか」とマーケ側が痛感。「もっと架電しやすいように、事前にこの情報を取っておくよ」と入力フォームを改善。ISの架電効率が上がり、アポ率が1.5倍に。
事例2:不動産販売会社(営業部・集客部 合同40名)「モデルルーム設営キャンプ」
- 課題: 集客イベントへの動員数は多いが、成約率が低い。営業は「集客の質が悪い」、集客は「営業のクロージングが弱い」と対立。
- 実施内容:「森のモデルルーム」。
- チームで森の中に「最高の居住空間(テントサイト)」を作り、他のチームを客として招き入れてクロージングまで行う。
- 成果: 集客(魅力付け)と営業(説得)が一連の流れであることを体感。「どんな言葉で誘えば、最後のクロージングが決まりやすいか」を両者でチューニングするようになり、成約率が向上。
事例3:製造業(営業・商品企画・販促 合同30名)「新商品ローンチ合宿」
- 課題: 販促ツール(カタログ)が現場で使われていない。「現場を知らない販促が作った自己満足ツール」と営業が批判。
- 実施内容:「カタログ・ハッカソン」。
- 営業が「商談で本当に話していること」をリアルタイムで話し、販促がそれをその場でキャッチコピーにする。
- 成果: 営業の生のトークスクリプトが反映された「売れるカタログ」が完成。「これなら使える!」と営業が絶賛し、新商品の初速が過去最高を記録。

まとめ:我々は「Two Teams」ではなく「One Revenue Team」だ
営業とマーケティング。 使う言葉も、評価制度も、カルチャーも違うかもしれません。 しかし、目指す頂(ゴール)は同じです。
マグマリゾートは、二つの異なる部族が、互いの違いを認め、リスペクトし合うための「融和の地」です。
「いいリードをありがとう」 「決めてくれてありがとう」
そんな感謝の言葉が飛び交うオフィスへ。 御社の営業とマーケティングを、最強の「マスマーケティング組織」へと進化させるために。 私たちは、焚き火と温泉、そして最高のフィールドを用意してお待ちしております。