「あけましておめでとうございます」 ビジネスの世界における「新年」は、1月1日だけではありません。 多くの企業にとって、会計年度の始まりである4月、あるいは10月こそが、真の「元旦」です。
前期の決算が締まり、数字が確定する。 良かった部署も、悪かった部署も、一度リセットされ、全員がまた「ゼロ」からのスタートラインに立つ日。 それが、期初(きしょ)です。
この重要なタイミングで行われる「期初キックオフ」。 しかし、その光景は毎年同じになっていないでしょうか。
「前期の振り返り」という名の反省会。 「今期の方針発表」という名の数値伝達。 そして、「頑張ろう」という名の形式的な乾杯。
社員たちは思います。 「また新しいノルマが降ってきた」 「去年の延長戦が始まるだけだ」
これでは、新しい期に向けた新鮮なエネルギーは生まれません。 過去の延長線上に未来を描いている限り、劇的な成長(非連続な成長)は望めないのです。
期初に必要なのは、過去を断ち切る「葬送」と、新たな命を吹き込む「誕生」の儀式です。
前期の成功体験も、失敗のトラウマも、すべて燃やし尽くす。 そして、真っ白な地図を広げ、まだ見ぬ1年という冒険の旅に出る覚悟を決める。
マグマリゾート。 地球のエネルギーが循環し、破壊と再生を繰り返す場所。 ここは、組織の「年輪」を刻むための、最も神聖で、最も野性的なスタート地点です。
「今年の私たちは、去年までの私たちとは違う」。
本記事では、マンネリ化した年度初めの行事を、組織が生まれ変わるための熱狂的なセレモニーへと昇華させる、マグマリゾート流・期初キックオフの全貌を、4000文字超の熱量で描き出します。

第1章:ゼロ・リセット。過去の栄光と亡霊を焼き払う
「前期」を引きずる組織
新しい期が始まっても、組織の空気はすぐには変わりません。 「去年はあれで上手くいったから」という成功バイアス。 「どうせまた無理だ」という失敗の記憶。 これらの「過去の残像」が、新しい戦略の実行を阻害します。 特に、好業績だった翌年ほど危険です。慢心が隙を生むからです。 本当に新しいスタートを切るには、一度、脳内のキャッシュを完全にクリアにする儀式が必要です。 物理的に場所を変え、過去をリセットするスイッチを押さなければなりません。
マグマ・クリアリング・セッション
マグマリゾートに到着した一行。 最初に行うのは、未来の話ではありません。過去との決別です。
「前期、我々を縛っていたものは何か?」 「捨て去るべき『古い常識』は何か?」
紙に書き出します。 「前例踏襲」「縦割り意識」「過剰な忖度」。 あるいは、「過去の成功体験」そのものも。
そして、その紙を、焚き火の中に投げ込みます。 燃え上がる炎。灰になって消えていく文字。
「燃やしたぞ! これでもう、過去には戻れない!」
視覚的な「消去」。 この物理的なアクションが、心理的な区切り(アンラーニング)をもたらします。 「ゼロになった」。 何もない荒野に立った感覚。 不安と同時に、何でも描けるという自由。 この「空白」を作ることこそが、新しいインストールを受け入れるための必須条件です。 マグマの熱で過去を浄化し、生まれたての組織として、新しい一歩を踏み出します。

第2章:地図なき航海。不確実な1年を「冒険」と定義する
予測不能な未来
「今期の売上目標は〇〇億円」。 数字は明確ですが、そこに至るルートは誰にも分かりません。 市場は激変し、競合は新たな手を打ってきます。 詳細な計画書(プラン)を作っても、数ヶ月で陳腐化するのが現代のビジネスです。 必要なのは、固定されたレールの上を走る「運行計画」ではなく、荒波を乗り越え、未知の大陸を目指すための「航海図(チャート)」と「コンパス」です。
ワイルド・マップ・メイキング
「今期という1年を、一枚の絵にしてください」 広大なフィールドに広げられた、巨大な模造紙(あるいは地面そのもの)。 チーム全員で、これからの1年の旅路を描きます。
「最初の3ヶ月は、この険しい山(開発期間)を登る必要がある」 「夏頃には、きっと嵐(競合の反撃)が来るぞ」 「その先には、見たことのない絶景(新市場)が広がっているはずだ」
数字の羅列ではなく、物語(ナラティブ)として1年をシミュレーションする。 泥や葉っぱを使って、障害物やマイルストーンを表現する。
「ここは苦しそうだけど、みんなでキャンプ(合宿)して乗り越えよう」 「ここで一気に攻勢をかけよう」
抽象的な目標が、手触りのある「冒険の旅程」に変わります。 「これから大変な旅が始まるんだな」。 そのリアリティを共有することで、覚悟が決まります。 期初の段階で、「苦難」さえも織り込み済みにしておく。 それが、想定外の事態に折れない強いメンタルを作ります。

第3章:役割の再定義。ポジションを奪い合う「陣形」作り
「去年と同じ」でいいのか
「今年も同じ担当で」。 組織の硬直化は、ここから始まります。 新しい山に登るなら、装備も役割も変えなければなりません。 期初は、人事異動や組織変更が行われるタイミングでもあります。 しかし、辞令(紙)一枚で人の意識は変わりません。 「なぜ、私がこのポジションなのか?」「このチームでどう動けばいいのか?」。 それを腹落ちさせるには、実戦形式での「ポジション確認」が必要です。
サバイバル・フォーメーション
「この激流(と見立てた地形)を、チームで渡りきってください」 リーダー、参謀、実行部隊、支援部隊。 それぞれの役割を決めて挑みます。
しかし、途中でルールが変わります。 「リーダーが負傷した! サブリーダーが指揮を執れ!」 「資材が流された! 現地調達班、動け!」
刻一刻と変わる状況の中で、自分の役割を全うできるか。 「私は後ろから支えるのが得意だと思っていたけど、意外と先陣を切るのが向いているかも」 「あいつ、土壇場の判断力がすごいな」
新しいメンバーの意外な強みを発見し、自分の新たな可能性に気づく。 「今期は、この陣形(フォーメーション)で行こう」。 「背中は任せたぞ」。 辞令ではなく、信頼関係に基づいて役割がセットされる。 「自分がここにいる意味」を理解した社員は、自律的に動き出します。 期初に作るべきは、組織図ではなく、生きた「生態系(エコシステム)」なのです。

第4章:燃料の充填。12ヶ月走り続けるための「熱源」
スタートダッシュの落とし穴
「期初だ! 全力で走れ!」 気合を入れるのは良いですが、ビジネスは100メートル走ではなく、1年間続くマラソンです。 最初に飛ばしすぎて、5月に息切れ(五月病)してしまっては意味がありません。 必要なのは、瞬発力だけでなく、長期間燃え続ける「持続可能なエネルギー(サステナブル・エナジー)」です。 それは、恐怖やノルマによる強制的なエネルギーではなく、内側から湧き出る「やりがい」や「好き」という感情です。
マグマ・ソウル・チャージ
「あなたにとって、仕事の喜びとは何ですか?」 森の中で、一人静かに問いかけます。 数字のためでも、会社のためでもなく、自分のために。
「お客様の笑顔が見たい」 「難しいパズルを解くのが好き」 「仲間と笑い合いたい」
その根源的な欲求(ソース)を再確認する。 そして、夜の焚き火でそれを共有します。
「私は今期、この『好き』を追求するために働きます」 「俺のエネルギー源はこれだ」
互いの熱源を知ることで、チームとしてのエネルギー管理ができるようになります。 「あいつが元気ない時は、この薪(喜び)をくべてやればいいんだな」。 互いに燃料を補給し合える関係。 それが、12ヶ月間、一度も火を絶やさずに走り続けるための秘訣です。 マグマのような、尽きることのない地熱を腹に宿す。 それが、長く険しい期の道のりを支えるスタミナとなります。

第5章:出航の朝。全員で漕ぎ出す「初日の出」
言葉だけの「頑張ろう」はいらない
キックオフの最後。 社長が「エイエイオー!」と拳を上げる。 社員も合わせて拳を上げるが、目は笑っていない。 そんな空虚な儀式なら、やらない方がマシです。 本当に必要なのは、全員の呼吸が合い、心臓の鼓動がシンクロし、最初の一歩が自然と踏み出されるような「同期(シンクロニシティ)」の瞬間です。
サンライズ・ヴォヤージュ
新しい期の最初の太陽が昇る時。 全員で、リゾート内の湖や海へカヌー(あるいはイカダ)を浮かべます。 あるいは、山頂へ向かって一列で歩き出します。
「ヨーソロ!(進路よし!)」 掛け声に合わせて、パドルを漕ぐ。 全員の動きが揃わないと、船は進みません。
「いち、に! いち、に!」 水しぶきを浴び、筋肉が軋む。 しかし、船がグンと加速した時の爽快感。
「見ろ、太陽だ!」 水平線から昇る、圧倒的な光。 新しい1年の幕開け。
「今期、我々はこの船で世界へ打って出る!」 「嵐も来るだろう。でも、このクルーなら大丈夫だ!」
社長の宣言に、今度は心からの歓声が上がります。 なぜなら、今まさに自分たちは、物理的に力を合わせて前に進んでいるからです。 この身体感覚を持ったまま、オフィスへ戻る。 「さあ、仕事だ!」 月曜日の朝、彼らがPCを開く時のスピードと集中力は、今までとは次元が違うはずです。 ロケットスタートは、ここから始まります。

まとめ:期初とは、未来への「契約更新」である
会社と社員の関係は、雇用契約書だけで繋がっているわけではありません。 「この会社で、この仲間と、この1年を生きる」という、心理的な契約(エンゲージメント)が必要です。
期初キックオフは、その心理的契約を更新する、年に一度の重要なタイミングです。
「今年もまた、つまらない1年が始まるのか」と思わせるか。 「今年は、何かすごいことが起きそうだ」と思わせるか。
その違いは、最初の1日をどう過ごすかにかかっています。
マグマリゾートでの期初キックオフ。 それは、過去を燃やし、未来の地図を描き、魂に火をつける旅。
「今期は、伝説の年になる」。 そう確信できるスタートを、ここから始めませんか。
皆様の新しい船出を、心よりお待ちしております。